ロレックス狂騒曲
さて、今月はロレックスが昨年8月に続く小売価格の値上げを実施したが、先週の日経紙・NEXTストーリーでは「ロレックスに走る人びと」と題し、入手困難なロレックスの人気モデルを求め何百回も通い詰める愛好家から果ては転売ヤーまでそれぞれの行動が書かれており、これまで何度か取り上げた「ウイスキー」同様に近年のロレックスを筆頭とした時計の投機熱もいまだ冷めやらない。
これまた上記のウイスキー同様にコロナ禍の影響で減産から品薄になって仕入れ価格が値上がりしているところへ、旅行等に行けない富裕層などのホットマネーが市場に流入しここ数年で300万~400万円台の中堅クラスは2倍以上に高騰している。この記事にも出ていた人気のデイトナの実勢価格はステンレス製のモノが19年末には200万円台であったが、昨年夏で約400万円に化け、年が明けてからは500万円を超えてきている。
更に同じデイトナでもその上のグレードになるとプラチナ製のモノは19年末に約800万円であったものが昨年夏には約1,500万円、また更に上の18金ローズゴールド製のデイトナレインボーサファイヤに至ってはここ1年余りで2600万円上昇し昨年夏の段階では約5600万円と大化けしていたが、これも年明けの相場は約6500万円と更に続伸している。
こうした入手に困難を極める現象も背景に時計マーケットでは両者をマッチングさせる貸借ビジネス等の枝葉も出て来ており、その利回りも10%を超えるケースもあるなど絡んだビジネスも枝葉が出て来ているが同紙でも指摘している通り「山高ければ谷深し」、今のところ確かに中古市場がしっかりしていて資産としても値持ちが良いが、投機が過ぎて弾ければこの構図も崩壊する危うさも孕んでいないとはいえないか。