夢の国の新エリア戦略
さて、今月は東京ディズニーシーで8つ目となるテーマポート、「ファンタジースプリングス」がオープンしている。その投資額は実に3200億円、開業以来で最大の拡張ということでシーの総面積はこれでランドを上回る事になる。東京ディズニーリゾートもはや開業40周年という事でその客層も親子3世代に広がっており、高齢に差し掛かった世代にも認知度の高いピーターパンも取り入れているのが印象的だ。
この新エリア、入るためには新エリア内のホテルに宿泊するか先着順のパスもしくは短い待ち時間で利用できる有料パスを購入する必要があるが、予定より45分前倒しで開園した初日は早いところで4分後には一部のディズニー・プレミアアクセスが予定発行枚数に達し取得終了のアナウンスが流れるなど入場後にも新たな壁?が立ちはだかる。
新エリアといえばファンタジーシャトーとグランドシャトーの2棟からなるホテルも注目すべきで、これまでの直営で展開するバリュータイプ、モデレートタイプ、デラックスタイプに続き、今回のグランドシャトーは初の最上位となるラグジュアリーの位置づけとなる。この辺もまた冒頭の3世代を意識しており、楽しみ方の多様化を受けホテルで過ごす時間を重視するなど星野リゾートのコンセプト?に通じるところもあるか。
OLCはこのホテル事業も絶好調だ。昨年4-12月期売上高は約670億円とあのインペリアルを凌ぐ規模で、その営業利益率30%超とこのインペリアルやプリンス系の10%前後を横目に大きく上回る。今回の新エリアは売上高で約750億円の押し上げ効果を見込み、客単価も800円程度上がる見込みというがその客単価も昨年度は16644円、コロナ前から入園者数は減少している一方でこの客単は逆に40%上昇しているという。量から質への戦略は着実に奏功しているといえ、まだまだ夢が覚める気配は感じられない。