金融課税扱いの是非

さて、金融審議会の作業部会では先週から暗号資産に関する法制度を見直すための議論が始まっている。仮想通貨が主に投資目的で取引されているのを受け、金融商品取引法に位置付けて利用者保護を図るが、インサイダー取引の規制の新設などが論点になるという。今年末に向けて議論を取りまとめて、来年の通常国会での金商法など関連法の改正を目指す意向だ。

米連邦議会では仮想通貨関連法案が成立し次なる法案整備にも期待が集まっているが、今や暗号資産全体の時価総額は直近1ヶ月で約7500億ドル増加し4兆ドルの大台を突破してきている。米企業では先行して仮想通貨備蓄の動きが出ていたが、最近では当欄でも取り上げた通り国内もグロース市場の上場企業一部にもそうした戦略的備蓄の動きが活発化してきている。

そうしたなか冒頭の議論開始の前日に、暗号資産の業界団体である日本暗号資産等取引業協会と日本暗号資産ビジネス協会が金融庁に対し税制改正要望書を提出している。個人投資家にとってはこれが一番関心のあるところだろうが、現在主要国ではスイスやドイツ(1年以上保有)、シンガポール等は非課税、米(1年以上保有)や英では約20%となっているなか、日本はいまだ雑所得扱いとなっているだけに申告分離課税に向けての進展があるか引き続き注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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