NISA変容期
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先週に金融庁は2026年度の税制改正や組織再編を含む機構・定員に関する要望案を自民党部会などで説明しているが、NISA拡充が柱となり対象年齢を18歳未満の子どもにも拡充したい方針であることが報じられている。NISAに関してはこれまでも投資額の上限が引き上げられるなどしてきたが、子育て支援の一環としてこの年齢制限の撤廃などを提言している。
この辺はこれまで年80万枠で19歳以下の子どもを持つ親向けにジュニアNISAなるものがあったが、これは一昨年に撤廃されている。少子高齢化に伴う資産形成ニーズの多様化もあり形を変えての復活なるかというところだが、NISA創設当初の縛りから比べるに本当に緩く?なってきた感がある。このまま拡充の枝葉でそれこそ特定や一般との損益通算までやってくれるとありがたいがさすがにそれは無理か。
しかし新NISAになりそれなりに参入層の幅も出て来たのかその買い付け銘柄も当初の高配当一辺倒から最近ではベスト5に当欄でも取り上げたビットコインに賭ける東証スタンダード市場のメタプラネット株もランクインしている。ビットコイン高騰に歩調を合わせて取った6月の高値からはや今週アタマには半値以下にまで下落しているが、過去には破綻し上場廃止になった銘柄まで買い付け上位に入っていたこともある。
ひと昔前のように株式市場では派手な仕手戦は無くなったものの、SNSの発達で斯様なミーム株に人気が集中する現象も出て来た近年ならではといえるが、同じくSNSを駆使しNISAをネタにした投資詐欺も横行している折、制度自体が形骸化しないでしっかりとした実効性を持たせるようにするためにはやはり基本を押さえた金融リテラシーは最低限不可欠といえるか。