商品アノマリー
さて、梅雨が近いこの時期になるとPGM系というか白系をウリにしたメタルジュエリーの案内が各所から送られて来るが、なかでもプラチナといえば今週は5日の日経紙夕刊一面で金の価格がプラチナを上回る逆転が定着する気配との記事が出ていた。
同紙にも謳ってある通り、プラチナは過去30年近く金価格の2割高〜2倍が常でそういったことから一昔前まで両者価格の接近時や逆転時にはストラドルなんぞがよく取り組まれた経緯もあったが、近年の経済環境やら取り組みからここまで恒常的な逆転から察するにこんなアノマリーも既に色褪せてしまっているのが窺える。
こんな背景には勿論経済減速懸念があるが、足元では日進月歩の技術でジワジワと需要減少の芽も出てきている。先週末の日経紙財務面には「マツダ株、連日の年初来安値」として、3月のファイナンスに加え最近の円高・ユーロ安で業績悪化懸念が燻り株価が冴えない旨が書いてあったが、末尾には社運をかけた低燃費技術を前面採用したSUV・「CX-5」が想定を上回る売れ行きともあった。
この「CX-5」だが、新型の高効率燃焼技術によって窒素酸化物を除去する排ガス処理工程が必要なくなる事で必要最低限の部分を入れても従来のプラチナ使用量は7割削減出来たという。まだTOCOMが板寄せだった頃には新触媒開発の噂が出る度にストップ安が続いたものだったが月日は過ぎこんな噂も次々と現実のものになって来ている。
産業色の強い世界だけに昔ながらのアノマリーも斯様に過去の物になりつつあるが、昨今の株式市場なんぞは更にこれが顕著、コモデイティーと絡めて見ているとこちらもまたヒントが幾つも転がっていたりするもの。