負の間接効果
週末の日経紙マーケット面では「東京原油、影響力増す」と題して、先週の日銀金融政策決定会合でマイナス金利導入が伝わったと同時にドバイが急伸、同時間帯のWTIも連れて値上がりするなど東京商品取引所のドバイ原油先物の売買が増えているのを背景に同市場の動きが米国市場等に影響する場面が出ている旨が載っていた。
先月の売買高は70万3000枚と2ヵ月連続で過去最高を更新し、国内の商品別売買高で初めて金先物を抜いたというから随分と急成長した感があるが、この背景には数年前に上場したETNの存在も大きい。同紙の末尾には原油低迷で同ETNの投資家の大半は含み損を被っているとあったが、二週間前の当欄でも主力ETNがこの1年のうちに約八分の一の値段に沈んだ旨を書いている。
この主力ETNの先週段階の信用倍率は実に1,200倍台とシコリ感満載な状況となっているが、個人は同銘柄でのショートは実質不可能な為にロングはそっくりチャブついているともいえる。価格形成において売買高が多い市場がマザーとなり影響力を持つのは自然な流れだが、背景にあるETN等が更にマージンで着膨れしている様は間接効果が高い物だけに都度の期日到来が懸念されるところでもある。