逆鞘の憂鬱

さて、先週の日経紙には「歯科医悩ます「銀歯」高」と題して、 保険診療で代表的な銀歯を作成する仕入れ価格が混ぜ物の一つであるパラジウムの高騰などで近年大きく跳ね上がり、昨年から今年にかけては診療報酬上の告示価格に対する上鞘も顕著となってその鞘分が歯科医側の利幅を大きく圧迫しているという旨がでていた。

現在JIS規格では銀40%以上・金12%以上・パラジウムは20%以上と決められているが、強度を増す為にこのパラジウムは要。ちょうどこの記事が出た後に知人の歯科医師に会う機会があったのでこの辺を聞いてみたら、確かにキャストウェルも数年前は3万前後で調達出来たモノが最近だと9万円前後まで跳ね上がっておりヤレヤレという感じであった。

ただ確かに利幅は大きく減少してはいるものの新聞等で報じられているが如く銀歯の補綴一辺倒で黙って赤字を垂れ流している向きは少ないといい、その辺は近年チタン冠やCAD/CAM冠など保険の適用範囲も広がってきており双方共に選択肢もまた広がってきているだけにこの辺も一括りで酷い惨状というワケではなさそう。

とはいえ一長一短でチタン冠など硬度の面で人によって合う合わないがあり、ならばやはりジルコニアセラミック等がお勧めとなるもののなかなか全ての患者が自由診療に手を出せない部分もある。点数も順次上がってきているとはいえ昨今の市況環境も変わってきており、それらを鑑み公定価格も機動的な対応が必要な状況になってきているのかもしれない。


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