消えた8735
7月ももう月末という運びだが、今月は8日だったか創業10周年という事で彼方此方の大手紙に載せたSBIグループの全面広告が印象に残っている。
さてその左側にズラリとグループ各社の名前が連なっていたわけだが、SBIフューチャーズの名前は何処を探しても既に見当たらなく、株式市場の方でも今週月曜日の最終売買を以って静かにヘラクレス市場から消えている。
同グループ率いるCEOコメントから時事に載ったモノを時系列でザッと挙げると、当初は「監督官庁は、投資家のための健全な市場を育成していかなければいけないという考えになってきた」とし、その後は「業界は土砂降りの状況」、07年3月期決算時には「真っ暗闇の中でシュリンクしている」とし、08年3月期には「土砂降り状態を抜け出すまで、あと一年かからないところまできている。この間に整理されるものは整理され、淘汰されるものは淘汰され、その中で生き残った会社がパイを分け合う」と述べてはいたものの、その後早々に自らが事実上会社整理の道を選択する結果になった。
以前にも書いたが今回撤退時のコメントは「国民経済に必要な市場だと思って参入したが、そうではなかった。監督官庁に業界を育てようという意識が感じられない」と失望した感を述べている。
確かに外側から見れば斯様にその矛先を向けたくなるのもわからないでもないが、しかし総括してみれば純に必要市場と思ってIPOしその期待を乗せて初日は17万円!という公開価格に対し倍以上の気配値切り上げとなった株価も、結局は業績の大天井を買った格好で株主責任も其れなりのモノに、縦しんば株主でなく委託者としても「24日までに反対売買を行いお取引を結了していただけますよう」と否応なしのお知らせでこちらは委託者責任か?彼らもまた後味の悪いモノが残ったのは否めないところだろうか。