54ページ目   商品先物

三役揃い踏み

週明け25日のコモディティーマーケットは引続きの元気印。コメックスの金は6営業日連続で過去最高値を更新、銀先物も49ドル台でまたまた31年ぶりの高値を更新、またマーカンタイルのWTIも2008年9月以来、2年7ヶ月ぶりの高値とどれもこれも破竹の勢いである。

しかし、特に銀など年明けのウォール・ストリート・ジャーナル紙始め各誌で取り上げられた経緯があったが、ホントにヒットし直近では金以上の輝きといっても過言ではないだろう。TOCOMでも大台超えも束の間更に一段高し、銀系のETFも昨日は軒並み年初来高値更新となっているが本日のTOCOMに見られる通りもはや空中戦の感も。

複合的な好材料を抱え込み過ぎると消化難となるものだが、昨今のコモディティーは環境が味方し息が長い。折しもG・W入りを控えて株式であれば逆日歩銘柄にカバーが入り易い時期だが、仮に逆日歩が存在していたらこれら上限10倍規制の適用になっていたかもしれないなと。そんなワケで今後どうなる?コモディティーだが、目先焦点はFOMC、そしてバーナンキ議長の会見が待たれるところか。


幻となる限日取引

さて、先週にはTOCOMで銀先物が1984年の上場以来初めて1グラム100円を超えたのに続いて、金先物も連日の高値更新から28年ぶりの高値にまで躍り出て、地金の方でも買い取りが遂に4,000円の大台に乗った。

連れてETF関係の方も、純銀上場信託、SPDRゴールド・シェア、純金上場信託、金価格連動型などが上場来高値を更新となっている。原資産周辺がそんな感じであるから日経・東工取商品指数の方も昨日には2008年9月のリーマン・ショック直後以来の水準を更新となっている。

ところでこの日経・東工取商品指数だが、約一年前に鳴り物入りで上場したものの値洗いにおいて理論価格との乖離が著しくなる設計ミスによってリクイディティーが著しく低下してしまっているのが現状。昨日もこんな高値更新の活況下とはいえ僅か65枚の出来高であったが、こんな状況から5月の新甫発会から限月取引を導入することを発表している。

業界活性化論上にはかねてから一部限月取引のデメリットが上がってきた経緯があり、そんな折の限日取引の登場だっただけに期待していたものだが、約1年で限月回帰の動きとなった。こうしている間にも指数系もETFが力をつけそうな気がするが、やはり要は設計である。


年初来高値更新組

さて、週明けの本日は中東情勢の不安も背景にして「国内金現物販売価格」が約28年ぶりの高値水準を付け、税込みでは初めて4,000円大台に乗った。TOCOM先物もまた然りで、そうなるとこれに倣えでコモディティーもののETFも「SPDRゴールド・シェア」、「純金上場信託」、「純銀上場信託」、「ETFS金上場信託」、「ETFS銀上場信託」、「金価格連動上場投資信託」、「国内金先物価格連動型上場投信」等どれも軒並み年初来高値更新と、金・銀関連の独壇場となった。

このメタル系のETFといえば、ちょうど週末の日経紙夕刊にも「銀ETF」の説明が出ていた。王道の「金」などは注目されて久しいが、その裏ではかねがねこの「銀」や「パラジウム」もしばしば注目対象として各所に取り上げられ、とりわけ銀は年明けのウォール・ストリート・ジャーナル紙でも「金より眩しい」として取り上げられていた経緯がある。

事実この手のものでは日本では昨年の上昇率ベスト3に入っているが、「果実シリーズ」など登場した7月に5,000円を挟んでウロウロしていたところを拾って放っておけば既にそろそろ2倍化というワケだからさすがに関心も向くというものだ。そういえば「ETFS穀物商品指数ETF」など、1月中旬には2日連続ストップ高の離れ業をやってのけた経緯があるが、複数の商品価格で構成する指数連動モノで値幅制限一杯まで動くというのも珍しい。

しかしこの辺も良く取ればそれだけ注目を集めたということになろうが、売買代金が初日で500万円そこそこではリクイディティーの無さがこうした珍事?の背景にあるといっても間違いではないだろう。まあまだまだ国内では初物の部類でこの辺も致し方なしだろうが、途中のボラで値洗いが急変する荒さも総じて緩くコツコツ実績を積めばいずれ大きく育つ期待大か。


コメ先物認可申請

さて、【FUTURES PRESS】の見出しにも出てきたが、先週末には東穀取と関西商取がコメ先物取引の試験上場制度の活用に関して近々に農林水産省に認可申請する方針を固める旨の報道が為されていた。官報公示期間は3ヶ月であるが、これが認可された場合には7月中旬からはれて取引開始となる予定。

東穀取社長は、現民主党政権から価格を維持しようとする政策は今のところ一つも出てきていないと述べ、価格変動のリスクヘッジの重要性を謳っていたが次の穀物指数も現在見据えている。

しかしこのコメを巡っては、かつて上場検討委員会の最終会合を前にして全農OBが突如として辞任したり、その後もやはりというかはたしての不認可となったりしてきたがそれからはや5年、今回の申請はこの間に米作を取り巻く環境が一段と厳しさを増していることの反映ともいえる。

現況、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉へのハードル下げで農業関係者向けファンドの設立を盛り込んだ農業支援策なども提案している状況だが、これまた依然として反対派勢力も活発だ。しかし、このTPPはよく取り上げられるものの、同じ土俵にあって然るべきの大型商品にも係らず関連記事を伝えるところは僅かというような関心の無さこそまた問題でもあるか。


60年の歴史に幕

さて、今週の業界絡みの出来事といえば中部大阪商品取引所が週明けに臨時総会を開き解散したことだろうか。ご存知、1951年に取引を始めた名古屋繊維取引所等が96年に合併してできた中部商品取引所が前身で、2007年には大阪商品取引所と合併するに至ったが、ここもとうとう60年の歴史に幕を下ろすことになった。

いろいろ迷走はあっただろうが、数年前にも書いたように最後の賭けに出た金市場創設にしても、投資家への選択提供というより対処療法的な起死回生を狙った取引所救済色の発想に傾斜したものではなかったのだろうか?他所のパイ奪いと揶揄もされたが類似商品を出そうが他所とMOUを交わそうが、小さいパイの中においてガリバー的な存在がある限りそれで活路を見出すのは並大抵な事ではないのが現実。

何れにせよ既にTOCOMへの移管も終り年末までに取引が終了していることもあって、その報道も申し訳程度にひっそりとしたもので何やら横浜商品取引所の時を思い出したが、これで国内の商品取引所は三カ所となる。

そういえば余談ながら、中部といえば名古屋証券取引所などは東海地域の主要50社の株価指数に連動するETFを近々上場する予定とか。主力取引所の地盤沈下が近年いわれているがこうした地方証券取引所こそその地盤沈下は焦眉の急を告げる事態、個別では生き残りをかけて試行錯誤が続く。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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