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鶏と卵

本日のTOCOM市場ではオイルが冴えない一方で元気印であったのはやはり金、この金相場、週明けも騰勢衰えず7営業日続伸して史上最高値を更新している。大手紙などではドルの代替資産としてこの金を買う動きが加速した云々の記事が圧倒的に多いが、週末の日経紙などでは投資が主役としての金高騰が続き、それが示唆するドル不安に焦点が集まり「悪いドル売り」が進むとスパイラルなシナリオの可能性も示唆している。

鶏と卵の話よろしくこの辺は尽きないものの、CTAがドル売り・金買いを進めたことが秋口から進んだドル安・金高騰の一因といわれているらしいが、これらも含めてつまるところは一部で指摘される原点回帰の動きか。

そんなわけでFRBも監視強化の動きと直近の記事で見掛けたが、一方では週末にはブルームバーグであのジョン・ポールソン氏が鉱山会社と金関連デリバティブに投資するファンドを立ち上げたというニュースも目にした。同氏といえばG・Sよろしくサブプライム関連のショートでガッツリ儲けたのが記憶に新しいところだが、なんでもファンドでは金価格のアウトパフォームを目指すという事。

アウトパフォームという言葉を聞くと一寸思い出すのがTOPIXや225を軸としこれらどれだけアウトパフォーム出来るかの掛け声と共にソフトバンクや光通信を数十万円まで買い煽った一昔前だが、まあそれはさておき確かに産金株なんぞはコスト低下で利鞘拡大から安値からの立ち上がりでは金相場を上回る上昇をするのは事実、原資産に限らず投資手法も飛躍的な広がりをみせる昨今この辺をチェックしてみるのも一考か。


取引員決算

昨日はオリエンタルランドの決算など一寸触れてみたりしたが、業界ではFUTURES PRESSでも既報の通り上場商品取引員7社の09年4-9月期決算も先週末に出揃っている。果たして全社が減収となり、うち5社で最終損益が赤字に転落か赤字幅が拡大という結果になっていた。

日経紙では自己資金による運用益は伸び悩み、FX事業も手数料の引き下げ競争が激化としているが、これらも委託から次のこうしたステージを経てつい最近がピークであったかのようなネット系証券の如く今後はそうしたものから別のステージに移行する構図となってゆくのだろうか。

同紙にはまた個人投資家を仲介し手数料を得る事業モデルからの転換も図っているが、成果は十分に挙がっていないとしているが、先週「双方に旨み?」で書いたようにプライマリービジネスの類一つ取っても証券とはその規模が雲泥の差なのは明らかで、こうした部分で限界があるのは否めないところ。

そうした事で上記のネット系証券よろしくパイの奪い合いから今後としてはJCCHの絡みからみてもシステム関連費用等の増加懸念もあり、互いに利害一致な向きの合従連衡も次のステージへ移行しないとも限らないが、或る意味それが出来るのはまだ前向きな方で水面下は不透明感漂う向きも依然多いのが現状か。


商品か企業か

さて先週から元気印なのはやはり金、週末の6日まで実に5日続伸し4日連続で史上最高値を更新と破竹の勢いである。直近の山はバリックのカバーとかトリガーとなっていた模様だが、今回はインド中央銀行がIMFから大量の保有金を購入するとの報がそれになった模様だ。

お陰で財務省発表の10月の外貨準備高の押し上げ効果にも一役買った今回の件、一般的本命視から逸れていたばかりでなく、当のインドといえば先にヒンドゥー教のダンテラスの祭りでも価格が高水準な為に全国金需要も減少等と喧伝されていた折、この水準からの成約の報だっただけにサプライズでもあったか。

こうなってくると資源セクターでも事業コストとの絡みから利鞘拡大で産金株等のパフォーマンスがまたいろいろと取り沙汰されそうな感もあるが、アジアなどでは実際に香港上場の金鉱山所有企業など数年間で約30倍にも大化けしており、我が国の別子の物色なんぞこれを見てしまうとまだまだカワイイものである。

この辺は今後の価格動向によって低コストがポイントとなるか埋蔵量がキーとなってくるのかという問題になるが、この金に限らず一部景気回復に伴う金属原材料等の需要拡大により、またぞろこうした鉱山業界もM&Aなどが回復してくるのは必至の情勢だろうか。


バブル創造過程の体質転換?

さて、今週一番気になったニュースといえばFUTURES PRESSでも既報の通り、東証とTOCOMが二酸化炭素の排出量取引市場の設立を目指し、来年春にも共同出資会社を設立する方針を固めたという件か。

民主党のマニフェストも追い風になってこの排出量取引でアジアにおける中心市場の地位を確立したいとの意図だが、当欄でも夏に投信を例に「環境バブル」としたようにこれが政策なら、一連の流れというか順序からはこれは間違いなく避けて通れない道か。

当然バブル醸造の過程として先ず市場創設だが、そこはデリバティブの存在が不可欠なのはいうまでもない。そうした意味合いにおいて一応のリスペクトなのか、TOCOMさんも共同出資でという格好になったのだろうがさて何処まで握れるのか。

しかしこの取引、EUが先行しているが実態の無いものに如何ほど透明度を持って来れるかだが、逆にそれが無いものほどバブルには好都合か。日本ではカーボンオフセットなどというのがようやく聞き慣れてきたものの、こうした点踏まえて内輪で盛り上がっているうちに外から包囲網がしっかり出来上がっていた等というのもあり得ない話ではない。

その辺はともかくTOCOMに話は戻るが、政策的なバブル創造ならたとえお零れでも可也おいしいビジネスになるのは想像に難くないが上手くそれに与れるのか、ひょっとしたら一般商品脱却を視野に入れたトンデモない体質転換を秘めているのかもしれないが現段階ではちょっと飛躍し過ぎな発想か。


中部金の上場

業界ではやっとというか先週で試験上場期限満了となった中部大阪商品取引所の鉄スクラップ先物取引が停止となった一方で、本日からTOCOMではマーケットメーカー制度がスタートする運びになったが、ディスクロが相変わらず曖昧ではたして一般的なM・Mをそのままイメージしてよいものかどうかこの辺はもう少し見てみたい気もする。

さて、その鉄スクラップが消える一方で新しく出て来るモノありで、本日からその中部大阪商品取引所では金の先物取引がスタートの運びとなった。受託会員十数社で初値は3,059円となったが、以前にも取り上げたように上場タイミングとしては面白いもののはたして金市場創設をもう一つ設けるその意味は理解に苦しむところ。

まあ、そうした個人的な意見は兎も角、東穀がいまさら全て板寄に復活させる中この金の板寄も意外に人気が出るのではないかという一部の意見もあるが、板寄全体といっても小さい池なのは明白で、世界的不況から金の投資に注目した投資家や当業者のヘッジ取引含めて新たな参加者として狙うというのは些か無理がある感もある。

それにしてもここ数年首位以下の方向性を見るにつけ投資家への選択肢提供というより、どうも起死回生というか取引所救済へ傾斜しているような印象は否めない。今回の上場も一頃言われた「TOCOMのパイを奪うという単純発想」との意見を覆せるかどうかその推移を見てみたいところである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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