75ページ目   商品先物

BROILER

おそらくほとんどの外務員が気付いてもいなかっただろうが、関西商品取引所に上場しているブロイラー先物が実質昨日の納会をもって本日付で上場廃止となった。

しかしこのブロイラー、インチキ?全盛の頃は今や既に破綻して市場から消えている大手取引員を機関店としてT社やM社、それにこの頃からハシリだったのか偽装モノまで登場し当業勢をも巻き込んで絵に描いたような一般餌食の相場が展開されたものだったが、儲かったのは結局某一部業者とそのお零れを貰った腰巾着の外務員だけだった。

そんな思い出?はともかく福岡商取が関西商取に対して合併の話が出た頃に当欄では、「Non―Gただ一つを除いて両者ダブらない商品は現状三つで前者も含めて他はマザーマケットが存在し残るはブロイラーのみ、要はこれを残すか否かというところ」と書いたが、それから二年もかかって漸く廃止の運びとなった。

こんなヘッジニーズが殆ど無いモノを14年と17年に二度も期間延長を申請する理由はいろいろあったのだろうが、一般論としては理解出来ず遅きに失する政策が変ってくるのは何時になるのだろう。


計算と黙認?

本日の日経紙一面には株式時価総額で見た世界の企業の主役交代が、原油高などの資源価格の高騰で新興国中心として鮮明になっている様が採り上げられていた。

さて昨日もサウジアラビアのジッダで開催された原油産油国と消費国の閣僚らが原油高騰問題への対応を協議する会合が開催されたが、これも沈静化へ向けた具体策には遠く果たして声明もあまり意味のないものであった。

そういえばこのサウジアラビアも破竹の勢いだがそれ以上に潤う事になるのがロシア、いろいろと遠大な国家間の策略が表面化している感がするが上記の時価総額ランキングでも昨年7位のガスプロムが3位に浮上し、一頃何処かで流行った株式交換のM&Aが活発化しそうとの兆しも出ている。

末端レベルではインフレの弊害も少しずつ表面化し7月の北海道洞爺湖サミットでも重要議題の一つに挙げられているが、ほとんど今の段階では決定打に欠き目先は金融リテラシーの必要性を再認識して各々の自己防衛で乗り切ってゆくしかないか。


不協和音

主要8カ国(G8)財務相会合が週末に閉幕したがやはり時節柄原油高が旬なだけにこれが焦点となり、世界的なインフレ懸念に対して世界の安定成長の重大な試練との危機感を表明していた。

近年コモディティも金融商品の色彩を強めてきているだけにこれらの認識は流石にあったようだが、急騰の背景は情報不足でデータの充実を促すとは何ともという感じで具体的に為替問題にも言及せず終いで即効性は殆ど期待出来ないものであった。

先にジョージ・ソロス氏が原油高の背景には投機が依然としてバブルを助長させているとしながらも、価格は実需に基づく水準にあると証言しているように具体策の決定打が無い中を、ポールソン米財務長官は投機筋が関与している証拠は殆ど無いとの発言にも見られるように国益が絡んだ問題はコンセンサスの一致が極めて難しい。

金融政策にしてもECBの利上げ示唆を絡めて以前株式市場の暴落のトリガーとなった政策の相違を彷彿させるとする向きもあり、各国がどれだけ協調策を取れるかここも試金石となりそうだ。


批判の根拠?

週末の海外相場はご存知軒並み急騰しているが、中でもやはり10ドル以上という過去最大の上げ幅を記録した原油が一際目を惹き、未だ値幅制限のあるTOCOMはストップ高張り付きで商いも殆どお手上げとなっていた。

しかしこうした状況頻発でロスカット制度やら堪ったものではないと思うがそれはさておき、前回はループホールと題し規制警戒から各商品が値を崩す様を書いたが、今回は宛ら昔の「一時規制は買い」という株式格言が思い出されるような恰好のコレクションであったようだ。

背景にはモルガン・スタンレーが7/4迄に150ドルに達する云々のリサーチノートもあった模様だが、今日の時事では以前に「デイトレーダーがバカで無責任」と発言した北畑経済次官が同社やG・Sを名指しで批判、どんな事があってもファンダメンタルズは60ドルとの記事があった。

まあエスカレートしてまた何処かで面白い発言を期待?したいが主要消費国が同問題への強調策を打ち出した折、投機資金への対応の行方が注目される。


ループホール

先週末あたりの各紙には先物への分散投資が世界で拡大と出ていたがそれも束の間、今週にかけてはCFTC(米商品先物取引委員会)が投機対策としてFSA(英金融サービス庁)やICE(インターコンチネンタル取引所)との間で情報交換を強化するとの報で各商品は思惑も募り値を崩す物が目立った週であった。

この辺に関連して昨日あのジョージ・ソロス氏は上院商業委員会で、原油価格の高騰背景には投機の商品先物取引は依然としてバブルを助長させているとしながらも、価格は実需に基づく水準にあると証言している。

ジョージ・ソロス氏のように知的見地からすると不健全で潜在的に経済の不安定要因と言ってしまえばそれまでだが、所謂商品指数ファンドがここ数年上昇相場の牽引役となって来たのは確か、委託保証金引上げ限界論やスワップ絡めたヘッジ申請の抜け道が改めて焦点になりそうだが、結果ここへきて金融勢と当業勢との対立が鮮明になっている。

最終的にはここも政治の力関係なのだろうが、間に入る当の取引所としても株主が存在するだけにその行方が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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