91ページ目   商品先物

早耳プロデューサー

昨日は後場からストップ安まで叩かれたプラチナであったが、本日は落ち着きを取り戻し総じてしっかりの展開であった。

その昨日もインペリアルで行われた英JM需給報告の価格見通しがリークされた云々で、後場から場味が急変したとかだが色々な意味で緩いマーケットとつくづく感じる。

そうそうプラチナといえばつい最近までETF発行の話が実しやかに出ていたが、購入保証のベースや工業界への影響を考慮するに普通に考えれば俄かに信じ難い話である。

それにしてもこの手が喧伝されるのは、以前ジュリアンロバートソンが活躍していた時のPGM系に似た物があるとふと思い出した。


侵食

ちょうど2週間ほど前に、野村證券が商品取引に本格参入との件を当欄で採り上げたばかりだが、今週は【商品先物取引業界最新ニュース】でも週初に既報の通り、大和証券が商品取引に本格参入との報道がなされていた。

業界では寧ろこの野村證券よりも早い時期に某取引員絡みでこの大和の話は挙がっていたのだが、以前も記した通り商品へのトライは実質的には二度目か。

ただ今回は一線を退いたスタッフで臨んだ子会社では無く本体で更にその取組も格段の違い、野村共々シュリンクする市場を横目に対照的な裾野の広がりを一方で感じる。

しかしこれで毛色の違う企業や投資家も大挙して参入ということになると、その受け皿の体力も懸念されないわけではない。


御題目

本日は大手紙でも既報の通り野村證券が商品取引に本格参入、新たな収益源に育てる動きで市況に左右されない基盤の強化や多様化の一環だそうだ。

野村といえばこの手では数年前に「小豆連動債」なる物を出していたような記憶があるが、またこのクラスの大手であれば今迄は単発で大和が一度トライした経緯があり、時を経てこうしたデリバティブ取引を持ち出し再トライとなるようだ。

しかし「価格変動リスク回避の手段を事業会社に提供」とは正に商品取引員の御題目とも取れるような文句であるが、スワップ等を咬ませ顧客対象層も当然毛色の変って来るものだろう。

先行している外資系然りで、主導してゆく層が異業種なのはなんとも忸怩たる思いである。


CHICAGO

約一週間前に各取引所の合従連衡について触れたばかりであるが、本日の日経一面にはCMEがCBOTを買収、合併する旨が出ていた。

合併後は「CMEグループ」と新名称になる模様だが、広範囲な商品をカバーし時価総額は実に250億ドルというから何れにせよ世界最大の取引所の誕生となり、今後の展開如何では更なる再編を促すことになるのは必至。

しかしこう面子が揃うと目先米国では気になるのが主力WTIを擁するNYMEXあたりで、既にグローベックス上では提携しているものの、今回の件でまた動向が注目される事となったLMEと共に行方が注目される。


占有

WTIはOPECの思惑を挟んでナーバスな展開となっているが、TOCOMも依然乱高下続く展開で本日は久し振りにファンド勢の纏まった売り浴びせに急反落となっていた。

不透明感漂う今の相場であるが、過日GSのコモディティ・インデックスに注釈付きの記事を見ていたらやはりシーズナブルな傾向は其れなりに未だあるなとも思える。

しかしながら昨今ポジションキャリーの問題その他いわれているが、占有率の腕力相場の為に近い眼で見るとそれらまるでアノマリーが消えたかのように通用しないのも事実である。

やはり特異な市場性の問題だろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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