メガ取引所
さて、先週末にかけて飛び込んできたビッグニュースといえばNYSE(ニューヨーク証券取引所)を擁するNYSEユーロネクストと、欧州大手のドイツ取引所が合併に向けて協議に入ったとの報道だろうか。また、ロンドン証券取引所とカナダのトロント取引所を擁するTMXグループも合併で合意と発表している。
この両者(NYSEユーロネクストとドイツ取引所)の縁談話といえばかつて2008年に一度破談になった経緯があるが、時を経てその環境も新興国市場の台頭に危機感を共有し、使い勝手のよい市場作りやコスト削減効果で地盤沈下を避けようと焦眉の急を告げるものに変わったということなのだろう。
その辺をベースに何れのパターンも特化が鮮明となっている。NYSEユーロネクストとドイツ取引所のケースではデリバティブ取引ではCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)グループと双璧の世界最大級のグループになる。また、ロンドン証券取引所とカナダのトロント取引所のケースでは、もともと世界の代表的な鉱山が多数上場していることから鉱山セクターにおいては圧倒的な強みを持つ取引所となる事か。
さて、斯様にプライドを捨てて国を超えた合併提携が進んでいるが、国内はどうだろうか?東証など数年前にはこのNYSEとの業務提携の話があった記憶があるが、今回の件で東証の社長は国内外取引所との提携については「東証は常にオープン」としながらも「今すぐというのはなかなか難しい」と述べている。この東証社長が言うように文化や価値観、国家体制が違うこともあるのだろうが、この狭い庭で今まで幾つか淘汰があったにせよ取引所が5つも存在しているのはやはり外から見れば奇異に映る。