拡大する再編の波
さて一週間前の月曜日には、週末にかけて入ってきたNYSE(ニューヨーク証券取引所)を擁するNYSEユーロネクストと欧州大手のドイツ取引所の合併協議の件を取り上げたが、先週末にはPTS(私設取引システム)大手の米BATS・グローバル・マーケッツが同業の欧州最大手チャイエックス・ヨーロッパを買収するとの報が飛び込んできた。
ところでこの上記のチャイエックスといえば、当欄でも昨年触れた通りで野村ホールディングスが34%出資している。国内を見れば同所の1月の売買代金が2,100億円と前月比で2倍に増えており、このPTS自体は7社合計でも5,300億円と前月比24%増と3ヶ月連続で過去最高を更新している。
今思えば当初でこそ数年前の出始めには限られた参加者の中でリクイディティーリスクなどが指摘されていたものだが、着実に伸びつつあるなと。国内だけ見ても上記の通り売買代金が過去最高を記録したとはいえ、この7社合計でも市場全体の株式売買の2%程度に過ぎないことから今後の伸びしろは大きいとされ、今後海外を後追いする可能性も出てきた。
ところで国内はさて置き、もともと今回のNYSEとドイツ取引所の合併の背景には近年の規制緩和からこうした新興の電子取引システムが台頭し、NYSEの上場銘柄が他市場で売買されるケースが目立ってきたことも一因。本来のマザーマーケットがデリバティブ等に軸足を移し始めたのを商機と見て一気に攻勢をかけてきたという感じで、こうした新興勢力と既存の取引所との覇権争いが活発になる中でこのPTSにも再編の波が広がってきた気配である。