取引所の顧客考

昨日の日経紙投資財務面「一目均衡」には、機関投資家向け電子トレーディングシステムを野村証券で構築した第一人者が三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ移籍した話が載っていた。同氏らによる電子取引システムの再構築が軌道に乗れば、証券会社の売買シェアが塗り替わる可能性があるという事で取り上げられたもの。

当欄でも何度か触れたように昨年から東証のアローヘッドが導入されたが、コロケーションサービスもスタート、総注文件数に占める高速取引の割合は当初の10%程度から今年の4月には34%を越えたと日経紙で報じられている。過剰流動性の増加や大震災の影響もあって斯様に注文件数が右肩上がりになるのは想像に難くないが、一方で個人や中小会員はすっかり蚊帳の外となった感も。

時代の趨勢もあって半ばこうした部分は殆ど無視され当然のように障害無くコトを運ぶことが出来たが、着々と大口主体というか外資の計画通りに事が粛々と遂行されているのはこれを含め昨今のリップサービスにも見て取れることである。

一連の計画は、ある意味一部投資家や一部会員の淘汰を促進させることにもなろうが、それでも基本の売買行為自体は当たり前だが変わりようも無い。遠大な誘致計画もまた変えようも無いだろうが、今後は市場に残る一般へもせめて税制面等の調整その他の再考が求められて来よう。


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