新ジャスダック一年

さて、今週で大阪証券取引所のジャスダック市場とヘラクレス市場を統合させた「新ジャスダック市場」が発足してからちょうど一年が経過した。当時もこれについて当欄では触れたが読み返してみると発足当時1,005社あった企業数は直近で970社に減少、これは2001年8月末以来10年ぶりの低水準という。

週明けには増加傾向にあるMBOについて触れたが、このMBOはもとより震災後の株価低迷で時価総額基準額が未達になったりまた財務悪化ありでIPOを横目に上場廃止もまた多くなってきている。そのIPOだが、リーマン・ショック後に失速したものの今年は上場予定を含め9月末迄で全取引所合計は25社へ増加。うち約半数がジャスダック市場であり斯様に近年では漸増傾向にあるものの、やはりピークから比較してみれば9分の1以下と心許ないのも事実。

また月曜日記の話に戻るが「フランフラン」を展開するバルスは、他のアジア市場での再上場意欲に関して時価総額が東証の3倍は見込める感触というのも理由の一つとして挙げている。他のアジア市場に活路を見出し流出組が増加、結果として上場企業数が減少の一途というのもダイレクトに活力が削がれよろしくないのは一目瞭然。

一年前に当欄では「今後IRやスタープレイヤーの発掘が非常に重要になってくる。」と末尾に書いたが、この辺に関しては日経紙ではジャスダック市場が未上場企業対象に独自に成長性や上場意欲を調査し上場予備軍発掘を強化しているという旨が載っていた。誘致も大切だがこうした撤退企業鑑みるにその後のケアもまだまだ再考の必要性があるのではないかとも思う。


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