また一つ市場から

先週の当欄では「さが美」や「雪国まいたけ」とそれらに絡む投資ファンドを一寸取り上げていたが、週末に入ってきたニュースには東証一部上場のアデランスが現経営陣と投資ファンドのインテグラルと組みMBO(経営陣による買収)に踏み切るとの発表があった。

TOBは本日から来月末まで実施されるがそのTOB価格が1株あたり620円と週末の終値480円から29%高の水準という事もあって、週明けのマーケットで株価はTOB価格に鞘寄せする形でストップ高に張り付き、引け後には比例配分狙いから成り行き3,000万株以上の買い物を残している。

さて、アデランスといえばかつてユシロ化学やソトー、ブルドックソース等々でもひと悶着あった米スティール・パートナーズとの対立で09年の委任状争奪戦が記憶に新しいが、同じくMBO提案の経緯がある当のスティール・パートナーズも結局14年までに現物渡し含めたイグジットを完了し撤退している。

そんな経緯を経て株価が今後の経営の足枷にならぬが為のMBOだが、東証一部市場に上場する企業数が年内にも初めて2,000社の大台を超える可能性が高まっているとの観測の裏でこうして冒頭の雪国まいたけ同様に東証一部からまたひとつ銘柄が消えることになる。


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