根強い短期嗜好
さて昨日は貴金属系ETFなどコモディティモノが中長期目線で人気がある旨を書いたが、株式モノとでは一寸事情を異にすると思ったのが一昨日の日経紙市場点描にあった日本株運用のETF大手ウィダムツリー・ジャパンを提供しているナスダック上場の大手ウィダムツリーが、3年前に都内に構えた拠点を来月末までに手じまうというスピード撤退の記事か。
理由としては長期保有を促したい同社の戦略に対し、国内ではレバレッジ型など長期投資には不向きとされるETFに人気が集まるなど同社の戦略と相いれない事が背景にあったようだ。この辺に関し当欄では2年前の今頃に「本来ETFは長期向けなものの、レバ系への傾斜が鮮明な日本は投資家の短期嗜好が顕著に表れているか。」と書いていたが、果たしてという感じだ。
ETFといえばこれまで200銘柄以上が上場しているにもかかわらずレバレッジ型の一部を除けば売買高が極端に少なかった事で、リクイディティーを高めるために先月から東証ではマーケットメイク制度が導入されたばかり。見切り千両で撤退する外資と進行中の改革、何れも粛々と為されているがNISA等とも併せ今後どう啓蒙してゆくのかにも懸かっている。