その先の消却

先週末の日経紙投資情報面には「自社株の消却 倍増」と題して、同社調べで自社株を消滅させる消却額の合計が約5兆3000億円と前年度の2倍に増えて自社株買いの金額を上回るなど、自社株買いから更に踏み込んだ消却が相次ぎ斯様な動きは今年も継続しそうとの旨が書かれていた。

ところで当欄では先月に政策保有株を圧縮する動きを取り上げたが、先週は時価総額が上場時の3倍強になったリクルートホールディングス株に政策保有株として保有する幅広い取引先からの売り圧力が俄かに高まっているなか、この受け皿として自社株買いを検討している旨も報じられていた。

背景には国内外の投資家が資本効率の改善を要求しROEを重視する波に乗る動きがあるが、これが意識されるばかりに資金が刹那的にこれらに振り向けられているパターンも一部見られた。上記のリクルートも資金の使い道のプライオリティとしてはM&Aを軸とする成長投資としているが、今後其の先の余力の部分をどう生かしてゆくかこの辺が各社共に課題となりそうだ。


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