期待感を買う

さて、先週から株式市場で新興勢以外で目を惹いたモノといえば二部の東邦金属か。先週末まで3日連続ストップ高という離れ技をやってのけ週明けも寄り後早々に年初来高値を更新したのも束の間、一転して値を崩し引けはストップ安に急落するなど一際ボラタイルな動きとなっている。

斯様な乱高下の背景となっていたのは核融合科学研究所との共同研究で異なる金属を高強度で接合出来る新技術を開発したとの発表で、特に週末の金曜日はその前日に株価が4桁に乗せていたところに制限値幅の4倍ルールの適用となった事からその前日の株価を上回る値上がりが可能となり前場段階で株価が実に2倍になる大化けを演じていた。

この新技術は幅広い応用が期待出来る画期的な技術と囃され一斉に飛付いた格好だが、核融合といえばかつては常温核融合を囃しその関連株がカラ売りをテコに仕手化の様相を呈し、商品市場ではパラジウムやプラチナなどPGM系が連日の乱高下を演じた事があったのも今となっては懐かしい光景だ。

何年かに一度はこうした夢のある材料で枯れ木に花の相場演出が派手に出来るのもカネ余りの素地ならではだが、冒頭の新技術の実用化が今直ぐという段階でなく其れなりの時間がかかるのは当然なところで、一昔前に囃された上記の常温核融合にしても例えば工業用に利用できるような成功は現在まで確認出来ていない。


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