持てる者と持たざる者

英アストラゼネカがオックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で有効性が確認され、米ファイザーの新型コロナウイルスワクチン接種が来月にも始まる見通しとなるなど経済活動正常化への期待が高まり週明けの米株式は急反発となっていたが、個別ではやはりテスラの独走ぶりが目立ちまたも上場来高値を更新していた。

この背景には周知の通り来月後半からS&P500種株価指数に採用が決定した件が大きいが、それにしても今年の1月にその時価総額が独フォルクスワーゲンを抜き我らがトヨタ自動車に次ぐ2位に躍り出たと当欄で書いたのも束の間、その半年後にはトヨタ自動車を抜き、更に4か月後の現在ではその時価総額が実にトヨタ自動車の2倍超にまでなっているワケだからなんとも破竹の勢いである。

生産台数・販売台数共に世界各国の大手に大きく見劣りするにも拘らずそれらを束ねた時価総額をも上回るテスラがファンダメンタルズに見合っているのかどうかは市場関係者の間でも議論が分かれるところだが、複数の有力証券会社のアナリストは今なお挙ってその目標株価の引き上げに動いている。

トップ企業への一極集中が加速しS&Pによれば現在はアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベットなど所謂GAFAM銘柄でS&P500種株価指数に占める比率が約20%というが、此処に新規採用銘柄として過去最大の同社が加わる事で一握りの企業が株式市場を大きく動かす構図が今後より顕著になるのは想像に難くないか。


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