変動行使価格

先週末の日経紙マーケット面では「人気の増資 株主に不利?」と題し従来の新株予約権に比べ行使が進み易く資金調達のメドが立ちやすい行使価格が動くMSワラントなどの新株予約権の発行が増加している旨が出ていた。ここではジャスダックのINESTが取り上げられていたがなにぶん二桁の株価だけにその変動率が話題になっているようだ。

これを発行する企業も一般に知名度の高いモノも少なくなく、日経紙に出ていた以外でも例えばこれも株価が超低位となってしまったAV機器老舗のオンキョーホームエンターテイメントや、あの「いきなりステーキ」を展開するペッパーフードサービスも同ワラントの発行を発表しているが、いずれも株価が下落トレンド中で不安定な値動きが繰り返されている。

同ワラントはあのライブドアがニッポン放送株取得の為に発行したMSCBに非常に顔が似ているが、公募等との違いは価格が引き下げられた段階での権利行使で大量の新株発行から急激な希薄化が起こり得る点で、また行使次第で払い込みのタイミングもムラが出て来る或る意味非常に不安定なファイナンスともいえる。

極端な言い方をすれば同ワラントの類は引受先証券会社の取りはぐれは無く、逆に既存株主は常に損失リスクを抱えるファイナンスともいえるだろうか。ちなみに上記のライブドアのファイナンスでは引受先のリーマンは貸株でザッと100億円以上の利益を上げたが株価は一貫して下落、最後はこのライブドアは破綻し投資家の株券も紙屑に、果てはこの手で彼方此方暴利を貪っていたリーマンまでもが破綻し全員が残念な結果で終ることとなった。


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