開示の増加と課題

先月上旬の日経紙で「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する開示企業一覧」を掲載した全面広告が載っていたが、そこで「本紙面では東証から公表された開示企業一覧表の内容をはじめ関連トピックについて今後も継続的にアップデートとともに掲載する。」と謳っていた通り、先月に続いてちょうど一週間前の日経紙全面広告にて再度開示企業一覧が載っていた。

ちなみに昨年からの開示状況を辿ってみると、先ずプライム市場では2023年12月末は815社で49%、2024年1月末は899社で54%、2024年2月末で検討中も含め969社で59%となっている。またスタンダード市場では2023年12月末は300社で19%、2024年1月末は325社で20%、2024年2月末で検討中も含め348社で22%と月を経るごとに上昇している状況となっている。

各社その資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として挙げられているのは配当の増額や自社株買いの実施が比較的多く、他には海外IR(投資家向け広報)の強化や国内IRの強化も次に多いが、この辺は先月末の日経紙にも2023年のIRに関わる人材の求人数が6年前に比べて4倍近くになった旨が報じられていたあたりでも見て取れる。

この同じ日の日経紙では「企業と投資家ともに変化を」と題した別の全面広告も見かけたが、このIRは情報開示だけでなく投資家との対話も担っている。今後は東証の動きに合わせて物言う投資家の動きも活発化してくる可能性があり益々その重要性は増すともいえるが、一方で課題はこれら人材の不足。東証はIR活動を支援する専門部署を立ち上げ企業の負担軽減に動き始めているが、並行してこうしたバックアップ体制も今後益々求められようか。


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