アクティビスト隆盛

ちょうど1週間前の当欄では複数のアクティビストが大株主となっていたダイドーリミテッドが従来の約20倍にもなる大幅増配を発表した旨を書いたが、その大幅増配発表でストップ高と急騰したところで大株主であったアクティビスト2社が揃って全保有株を売り抜けていたことがその後の大量保有報告書で判明している。これに歩調を合せ?先週にはアクティビスト側から選任された一部取締役も辞任ということでヤレヤ感は否めない。

それはさておき、物言う株主といえば先週の日経紙グローバル市場面には「物言う株主提案最多」と題し、アクティビストが世界で1~6月に企業に対して提案した提案・要求した件数が計147件と同期間で過去最多となった旨の記事があった。上記のダイドーリミテッドのような大幅増配の類というより、世界では不採算事業売却や経営陣刷新など経営に踏み込んだ提案が世界で増えているという。

この頁では米エリオット・マネジメントによるサウスウエスト航空やテキサス・インスツルメンツに対する経営陣刷新や事業戦略見直し提案が挙げられていたが、米では実際にアクティビストが取締役として舵を取る例を目にする。例えば日本でもオリンパスやセブンアンドアイHDに投資実績のあるバリューアクト・キャピタルは2014年から2017年までCIOを取締役として送り込みその在任中の株価が2倍以上に上昇、また他にも一昨年からセールスフォースに投資を始め同CIOはここでも取締役として送り込まれている。

日本最大のコンサルティング会社であるアイ・アールジャパンによれば、日本市場に参入したアクティビストは5月時点で72ファンドと5年前に比べて倍増しているという。そういった事を背景に先の株主総会で株主提案を受けた企業も3年連続で過去最多を記録しているが、日本でも上記のような積極関与が今後増加してくるのかどうかこの辺も注目しておきたい。


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