3度目の上場

さてSBIのグループ入りした段階で3500億円あった公的資金を今年7月に完済し農林中央金庫との提携も発表した「SBI新生銀行」だが、本日はれて東証プライム市場へ上場となった。注目の初値は公開価格の1450円に対し9.4%上回る1586円となりあと1680円の高値まであった。引けは1623円でその時価総額は約1兆4500億円となり今年のIPOでは最大規模となった計算だ。

思えばこのSBI新生銀行、かつての新生銀行時代にSBIホールディングスと繰り広げた熾烈なTOB劇が記憶に新しい。初の銀行を対象とした“敵対的TOB”として注目されたが、当時の新生銀行はこれに猛反対しSBIホールディングス以外の株主が無償で株式割り当てを受けられる新株予約権を発行する“ポイズンピル”などの買収防衛策を発表するも、分の悪さから後にこれが取り下げられ臨時株主総会も中止されあっけない幕切れでTOBが成立した。

いずれにせよ90年代に国有化されて以降も紆余曲折あったこの銀行も、東証への上場は長銀時代からこれで3度目となる。おりしもマイナス金利から脱し金利のある世界に突入した環境下での再上場はその舵取りもとりわけ注目されることになろう。ところで今年のIPOは数としては全体的に減少傾向だが、今回のSBI新生銀行、それに今年はJX金属やテクセンドフォトマスク等々の大型案件が調達の総額押し上げに寄与している。小粒量産時代から景色が変わってゆくのか今後この辺も見ておこう。


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