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東証大証統合

いつも通り株式のコードを叩けば本日は何処も彼処も主市場が東証表示となり先週までとは違った光景が展開しているが、周知の通り本日から東京証券取引所と大阪証券取引所が現物市場を統合し、東証の上場企業数は計3,423社とこれまでの世界7位から3位に浮上することになった。

一部懸念されたシステムトラブルもなく上記の通りこれで大証はその現物株取引の134年の歴史に幕を下ろすことになったが、近年経費削減で重複上場を廃止する企業が目立っていたのをみるにきれいな一本化となりこうした部分は朗報だろう。この辺は企業に限った事ではなくこのシステム統合で年約85億円の経費が削減出来る計算になるというが、これを売買システム進化に注ぎ取引所間競争を有利にしたい意向という。

一方で新興企業にとっては1部・2部へ昇格する為の条件など違うままであったり、またこの辺は上場廃止基準など取っても同様で、従前のマザーズとジャクダックではそのハードルにやや違いが出てくるということになるがこの辺は影響が出てくるのかどうか一寸未知数か。

しかし、北浜銘柄の中には優等生に交じって1部も2部も独特の抜群の仕手性を持った銘柄があり上げでも下げでも取らせてくれた思い出深いモノがいくつもあった。東証統合でそんな毒っぽさ?も抜けてしまうのかどうかだが、兎も角次のステップとしてはいよいよ来年のデリバティブ統合がありこれに向けて着々といったところだろう。


アジア最多

本日の日経平均は、前場の100円以上高い場面から後場は一転200円近くまで下げる場面があって引けは小反落となっていたが、週明けなどは急反落で安値引け、昨日9日は急反発で一転しての高値引けなど依然として先物が市場を振り回している格好である。

こんな乱高下の展開が続き売買代金の減少もいわれているが、そんな中において指数連動型のETFの1〜6月の売買代金は約10兆円と前年同期比の4.3倍に上るなどこちらは売買が急増している。既にアジアでは最多になった旨の報道がされているが、この売買増加を牽引しているのがレバレッジ型やインバース型という点がなかなか面白い。

さてETFといえば既に欧米では桁違いな商いが築かれているが、米の量的金融緩和の縮小観測を背景にした個人投資家等の売却で先月は過去最大の120億ドル弱の資金がETFから流出したという。こちらはいわずもがなコモディティも株式同様に発達しており金など既に大きな影響力を持っているが、本日の日経紙の東証社長インタビューではETF上場を増やし海外機関投資家資金を取り込みたいとしている。

出ては消えとならぬようリクイディティ確保など課題はあろうが、NISAと絡めてのマーケティングも彼方此方言われだしておりコスト論より先ずは普及で今後の進展度合いを注視しておきたい。


環境改善

先週はサントリー食品上場があり、前回ではこの事にも触れたが本日の日経平均の中盤からの急変にもこんな新規モノは然程動じずに比較的しっかり推移であった。オイシックスなんぞもこの類に入るがこれらに見られるように新規上場銘柄が盛り返し、上場1年以内の銘柄の値動きを示すIPOインデックスが先週4日には約1ヶ月ぶりの水準まで上昇した旨が先週末の日経紙にも載っていた。

上記のサントリー食品迄で初値が公開価格を上回るのは実に25社連続であるが、なんといっても初値が公開価格の数倍化が続出するというパフォーマンスの貢献は大きい。今月モノだけ並べてみても11日のぺプチドリームが約3.16倍、13日の横田製作所は約2.36倍、26日のリプロセルに至っては約5.56倍と破竹の勢いである。

5月のあの13年ぶりの暴落以降も不安定な下落で個人投資家が傷んだ云々の記事をよく見かけるが、ある程度腕に覚えのある向きは殆ど傷んでいないのが実情と思う。たとえ暴落相場になっても腕力の大商いでほぼ確実に取らせてくれる仕手系は循環でコンスタントに出て来ているし、IPOのプラチナチケットは上記の通り益々輝きを見せているワケで、買い玉のヤラレ分など可也の部分がカバーできてしまう相場が今の環境ではないか。


いわば折衷案

さて今週のビッグイベントといえば昨日のサントリー食品の上場であっただろうか。注目の初値は公開価格3,100円を20円上回る3,120円と大人しいスタートとなり、本日もそこそこしっかりであったがいずれにせよ時価総額は1兆円に迫り、この規模は以前の大塚HDを彷彿させる今年最大の大型上場となった。

ところでサントリーといえば思い出すのが4年前のキリンとの経営統合案か。強モノ同士の経営統合で当時は大手4社体制が崩れコカ・コーラを抜く大手誕生かと騒がれたものだが、結局両者の思惑違いが重なり破談になってしまった経緯があった。メジャーを睨んでの大型統合話がマルになってしまったケースであったがあれから数年、非公開路線のイメージを破っての上場である。

とはいえ今回の上場は実によく考えたもので、本家のサントリーHDはやはりというか非上場のままこの上場後のサントリー食品の株式はなお約6割握り、同族ならではの自由度は確保という構図か。しかし先の株主総会でもコーポレートガバナンスの重要性が謳われていた折、この辺絡めた市場からの目というか新しい株主と今後どう付き合ってゆくのか暫し注目である。


結局はお上次第

先週末の日経平均はザラバ安値から大引まで500円以上もの値上がり、週明けの本日も寄付から大引まで350円以上値を下げるなどここ依然として株式相場の変動が大きい状態が続いている。そうしたなかでNISA口座に絡んだ話題のなかには中長期視点での投資の重要性を謳う記事も多く目にするようになった。

確かに今の市場、足の早い資金構成という構図から先物で主導権を握れば上記の通り指数を乱高下させるのは比較的容易な状態。中長期でじっくり腰を据えた投資家不在も一因との指摘も多いが、NISA等預金に偏った個人の資産が株式市場に流れるということで短期の値幅取りではない中長期の投資が広がる呼び水になるのではとの期待も高い。

しかしどうだろう?HFTがインフラと共にこれだけ蔓延っている現在、構造変化云々というのは些か期待が大き過ぎるというのは否めないところだろうが、中長期系を誘致したければ先ずNISAのようなチマチマしたものでなくこれらによる売買益や配当課税のドラスティックな優遇改革が第一だろう。NISAは切欠というところで新たな改革の機運が望まれる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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