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セカンダリー上場

本日の日経平均は金融緩和発表後に乱調となり小幅続落に終わったが、このところの高下では日経平均への高寄与度銘柄も同様にボラタイルな展開が目立ち裁定中心の値幅構成という一部も垣間見られる。ところでこの高寄与度の中でもダントツの寄与度を誇るのはファーストリテイリングだが、同社が年内にも香港市場への上場を計画との報が伝えられている。

香港市場に上場している日本企業といえば一昨年のSBIHD、そして昨年当欄でも取り上げたパチンコ業界のダイナムが記憶に新しい。前者の場合は東証で既に存在していることで当然ながらセカンダリー上場だが後者の場合はプライマリー上場、香港はセカンダリーの場合預託証券形式となる。

こうした形式の場合低リクイディティーがネックになる懸念もあり、寄与度も高いだけに同時上場となった後の影響度等はどうなのだろうかというのも気になるが、何れにせよダイナムの上場でより一層関心が向かう事になったのも事実。市場から一旦消えていったMBO組も関心を示しているところがあると聞くが今後の動向に注目である。


歌会始の儀

本日は新春恒例の「歌会始の儀」が皇居・宮殿「松の間」にて開かれた。ちょうど一年前にもお題であった「岸」に触れ、この歌会始めが妙な神通力を持つ株式市場について書いたことがあったが、当時物色の柱となった橋梁系は昨日の首都高速道路有識者委員会の発表から奇しくも一年後の本日も尚物色されていたのが印象的であった。

もっとも一年もこのテーマが蒸し返し物色されるほどであるからそれ自体中期的に問題視されていたのは明白なところだが、今年のお題は「立」。今年も「辰巳天井」ということで兜町連中は相場が立つなどと験を担いでいたものだが、これまでのところでもこの歌会が意識されるにつれ好調なパフォーマンスを誇っているのが幾つか散見された。

以前にも書いたように「家」の大和ハウス、「水」のウォーターフロント大相場などが作られ、一昨年の「葉」からJTが安定的に値を上げてきているなどこのお題はなかなか侮れない。といったところで来年のお題は「静」。鬼が笑うのをよそに一年先取りするのが兜町界隈、早くも関連銘柄には仕込みが進行しているとの噂もあるがさてそのパフォーマンスは如何に。


絶好のタイミング

本日は経済財政相発言による円安一服から日経平均こそ後場は多少ダレたものの、相変わらず個別の回転が凄まじい。大型ならまだしも中、小型なんぞで一寸仕手化したものなどは数回転でそれこそ発行済株式をこなしてしまうケースが多数散見され個人含めたデイトレーダーの存在感が浮き彫りになる。

そういえば先週末の日経紙にはマル信の取引が急増している旨が出ており、大手ネット系7社の今月の1日平均(4〜9日)売買代金は先月平均の約2倍になったという。周知の通り規制緩和で証券取引所が受け渡し前の証拠金使い回しが可能になり、マル信利用が急増したという構図だが昨年後半からの金融緩和期待の好材料出現もあって絶好のタイミングに乗ったという感じか。

売買代金も不振を極めていた頃は商取のプロップのように狭いパイでの食い合いが多かったが、こんな甘い香りに釣られて新参者が急増すればリクイディティに大いに貢献することになり腕に覚えのある向きにはまた一段と取り易い環境になるというものだ。

ところで取ったら取ったで収めなければならないものだが、政府は個人が投資から得た配当や譲渡損益を通算して課税する仕組みを拡充、損益通算対象を公社債等債券にも広げる方針を固めた。上記の件も含め個人の眠っている資金が動き出すように税制面からも環境を整えるという事だが、それこそ先ず配当・売買益課税軽減措置は恒常化し最終はやはり全ての損益通算体制ということになろうか。


時価総額再浮上

週明けから調整色が続く日経平均は本日も朝方は続落歩調であったものの、窓埋めからは一気に切り返しとなり個別も高値更新が目立った。しかしアベノミクスが囃され年末年始だけでも主力のコア物など時価総額の増加が著しいのは想像に難くはない。

こんなコア物の時価総額を昨年比で見てみると同じ業界でも個別で明暗がわかれていてなかなか面白い。円高や中国異変やらの環境変化もあったが、主力事業や補完など上手く振替えられた向きは全体相場の温まりで戻った以上のプレミアムがはっきり付いており解り易い成績表となっている。

ただアジア全体でのコア物の時価総額ランキングを見てみるとやはり韓国や中国勢の躍進が目立ちこちらではまた別の構図となる。数年前はベスト10圏外であったものが躍進し、トップに君臨していた日本企業はベスト3にも入っていない。長らくの円高で更に生産体制の見直を進め強靭な体質になっているとは思うが、成長戦略を深め変革の取り組みの手綱を緩めないことが再浮上の条件になるのはいうまでもないか。


建前論と核心

昨日の日経紙、風速計では「大手主導の日証協に反旗?」としてネット系および中小証券が日証協の中に立ち上げた「個人投資家応援証券評議会」なるものが、大手の意向を反映した日証協運営体制への反旗ではないかと業界で波紋を呼んでいる旨が書かれていた。

同評議会の議長はマネックス証券社長だが、同評議会参加については「主たる顧客基盤を個人投資家とする証券会社という評議会の性格付けに適った証券会社に集まってもらいたく、参加証券会社を一定の基準で絞り込むことも大事なことだと考えている。」としている。

となれば大手・銀行系は事実上参加が難しい狭き門?となってくるが、その議題にしてもファイナンスの実施に絡む問題点など大手のプライマリービジネス等の核心に触れる部分が多く真っ向から論議ということになると仮に大手と議論の場を設けても個人投資家の視点からすれば当然の如く大手には分が悪い。

他にもアップティック・ルールの是正まで含めた議論まで範囲は広いが、相場も年内に年初来高値を抜くかどうかまでにわかに熱くなってきているおり、市場活性化の使命を背負う日証協が均衡点を見出せるかその采配が今後注目されるところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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