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指標としての資金調達動向

本日の日経平均は円の下落が好感されて3日続伸となったが、値上がりベストテンの中でも昨日新規上場のモバイルコンテンツ配信が主力のエムアップがストップ高と気を吐いていたのが目立った。注目の初値も昨日は朝方から買い気配値を切り上げ、公開価格を約76%上回る好スタートとなっていたが、直近組ではちょうど一週間前に上場したアイスタイルの初値もまた公開価格を約94%上回る好スタートとなっていたのが記憶に新しい。

これら含めた株による資金調達といえば調査会社のトムソン・ロイターの纏めでは、株式市場の環境改善から先月の上場企業による新株発行を伴う資金調達件数が先月は16社と昨年3月以来の水準で、今月の調達額は既に先月を上回っているという。

ところで当欄で昨年12月に「大手運用会社よりゲーム会社」として日興アセットがIPOを延期した旨を書いたがその時の末尾には、「各社思惑はさまざまだが、こうした取り止め・延期の傾向もまた市場のバロメーターともいえそうした動向は全般を測る上で指標にもなろうか。」とコメントしておいた。

さてどうだろう、ちょうどその頃に1兆円を割り込んでいた東証一部の売買代金はいまや1兆5,000億円を超え、日経平均もほぼ8ヶ月ぶりに引けで10,000円の大台回復となっている。公募増資組のツガミの堅調さやマツダの大商いも今後興味深いところだが、今回もまたこうした部分から見る指標が上手く機能したといえるだろうか。


裏上場レンキン

さて、本日の株式市場は後場に入って一段高し4営業日ぶりに急反発していたが、そんな地合いのなかでも昨日に引き続きセラーテムテクノロジーは比例配分でストップ安に張り付き、明日はいよいよストップ安下限が2倍に拡大される。今週もいろいろニュースがあったなかで、周知の通り同社は自社株の吊り上げを狙い、虚偽の情報を公表したとして東京地検特捜部が同社社長及び役員を逮捕したことを受けたものに因る暴落だ。

やはりなといった感じだが、同社に関しては既に一昨年の10月に「実際に株式市場でも数年前から中国ビジネスへの進出をネタにしてインチキ相場を作った銘柄があり〜〜現在も背後に中国資本介入やら裏上場の噂やらでどう見ても不自然な化け方をした銘柄は依然多い」とコメントしている。まさにココがそれだったワケだが、当時はまだ裏上場疑惑といっても単なる噂に過ぎないと一笑されることが多かったものだ。

今回問題にされているのは「北京誠信能環科技」なる中国のソフトウェア会社であったが、中国企業といえば昨年は不正会計疑惑で海外市場にて上場する中国企業の会計不信が拡大し、数十もの中国企業株の売買が停止処分、架空投資を継続させていた中国企業の株で著名投資家がかなりヤラレたという経緯もあった。コトの発端は北米市場に上場している企業であったが同所の新興国企業の大半は中国が本拠地で逆さ合併による上場が半数を占めているという。

当然こうしたIPOの背景には投資銀行の影がチラつくワケだが、当の本拠地の上場基準厳格化で炙れた向きがこうしたところへ活路を見出し?進出したパターンもあるという。利害一致でこんな波が大証にまでうまく流れ込んだということなのか、真っ当なところ以外で中国ビジネス色を売りにしている怪しいところは今後包囲網が狭まってくるか。


優待取り珍事

本日の日経平均は手掛り材料難のなかを先物への売りが重しとなって1週間ぶりに9,700円割れとなったが、そんな中を年初来高値更新していたものとして私鉄大手が目立った。この私鉄大手といえば先週末の日経紙投資・財務面には「鉄道株、昨年来高値相次ぐ」として、期末控えのこの時期、乗車券などの株主優待や配当を狙った買いも入って東急が約2年4ヶ月ぶりの高値、増資で急落した東武も往って来いの戻りを見せるなど私鉄大手群がこのところ軒並み昨年来高値を更新している旨が載っていた。

さてこうした実弾で堅調な株もあれば、同じ優待狙い株でも需給で面白くなってしまう事例もいくつかある。一頃というか今でも「優待タダ取り」と称して、マル信でクロスを振って優待だけもらうという方法が一部証券会社のメルマガなどにまで紹介してあるのを見掛けるが、中には人気が付き過ぎて気が付いてみればトンデモない株不足になってしまうものもある。

例えば先月に年初来高値を更新した東京ドームなどはたしか数円の逆日歩が突如として付いていたと思うが、ココは60,000株以上で巨人戦指定席Aの株主証が手に入る。値もそこそこ低位だから60,000株程度なら安易にクロスする向きも居るだろうが、こんな逆日歩に遭ったらタダで手に入る筈の優待に数十万円のコストがかかってしまうという笑えない珍事も制度信用の場合は可能性があるということ。

まあ、今の時代昔とは違って制度を避けて一般やら他の派生商品を利用する手もあるが需給睨んで二階建てで両取りというツワモノも居るあたりがまたこの手の面白いところでもある。


日経平均VI先物開始

本日から3月入りとなったが、今週は週明けからAIJやらエルピーダメモリ破綻やらと話題が多くマーケットの方もこれら睨んで比較的場中はボラタイルな動きが多くなった。ところでボタライルといえば、今週は週明けから大証で日経平均ボラティリティ・インデックス(日経平均VI)を対象とした先物取引がスタートしている。注目の初日は取引高が49枚、初値は3月物で23.50、終値は23.25となり大証は初日としてはまずまずの取引量としている。

この日経平均VI、ご存知の通り一昨年から算出・公表を開始した投資家が予想する将来の株式相場の変動率をオプション価格を使って指数化したもので昨年まで終値ベースで算出されていたが今年からリアルタイムで表示、リーマン・ショック後には92.03まで上昇、また昨年の大震災発生後には69.88を付けた経緯がある。以後昨年12月以降は20をやや上回る水準で推移しているが、VIX同様なかなか使えそうと期待する向きは多い。

この恐怖指数系では既に大証で一昨年12月から国際投信が運用する米VIX指数を対象にしたETF(短・中期)が上場しているが、今回は日経平均VIを元にした商品で日本初となる。今のところ機関投資家向けのスタートだが、商いの状況を見て夜間取引を実施するか検討するとのことで、今後これら含めどういった枝葉が出て来るか注目。

ところで新商品といえば今月から大手ネット証券で、コメ先物のオプションを証券化した「eワラント」の取り扱いを始めるという報も今週あった。まあ先物と違ってその証拠金は驚くほど安いわりに相場のボラは大きく反映してくれ、ワラントだから追証もなければ元本以上が飛ぶ危険もない非常に面白い商品。胴元は移管巡っていろいろ迷走だが、横では日進月歩で商品が登場しておりこの辺はまた後述することにしよう。


二つのデッド

さて、本日の日経平均株は引け際に急速に伸び悩み往って来いとなってしまったが、その中身の方は二部市場の昔懐かしい銘柄の乱舞や、中盤で昨日記のエルピーダメモリが完全合致で寄ったことでお祭り状態、朝から外は雪が吹雪いていたものの、こちらの方はまさに熱気ムンムンといった様相であった。

数億株の商いがエルピーダに集中するのは目に見えていた環境のなかで、東証も重ね重ねの失態はこれ以上マズイということでアローヘッドの再チェックなのかどうか昨日は深夜になっても煌々と明かりが点いていたが、今日は同所の約定値段が決定されるまで呼値の値幅制限を適用しない旨の決定で朝からアンダーには10億株近い注文が這わされていた。

そんな板だったから果たして5円で寄付いたあとはもう鉄火場、後場にはメデタク?11円まであり久しぶりの火遊びで資金倍増を満喫した向きも多かっただろう。しかし、昨日の日経紙にはエルピーダメモリの現状をデット・ハングオーバーと表現していた箇所があったが、さしずめ本日はデット・キャット・バウンス狙いで資金が集まったといった感じ。更正法前ならずパンク後にこんな形で資金が集まるなどなんとも遣る瀬無い感が漂う。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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