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関連銘柄諸々

本日の日経平均は薄商いの中を続落し、3営業日ぶりに1万円の大台を割ったが、先駆した銘柄中心に週明けに人民元弾力化から一斉高となった中国関連銘柄もはや売り物に押される展開が続いた。

この中には海運株もあるが、バルチック指数がもう何週間も続落となっている中で週明けに急騰を演じた主力大手など短期ではいい売り場を提供したともいえるか。この辺と同様なものとしては海運と双璧の商社株などもこの部類で、懸念材料を内包する中での反発は結局往って来いとなってしまっている。

斯様に株式は中国関連探しもまた一段と選別色の強いものになってゆくだろうが、一方で商品の方は人民元弾力化からの元上昇で中国の輸入増加に繋がるものの、むしろ現地工場のコスト増など中長期的な影響を指摘する声が多く、上げ幅は抑えられる見通しと日経紙では指摘している。

ところでこの同じ紙面にはガーリックフレークの価格が先月比で2割以上上昇した旨が載っていたが、「食べるラー油」ブームなどで引き合いが強く専門商社も必要量をなかなか手当て出来ないという。大蒜投機については昨年末に触れた事があったが、幕間繋ぎとしてはまだまだこの手が健在である。


史上最短記録

本日の日経平均は小動きであったが、そんな中でヒッソリと上場廃止を迎えたのが東証マザーズの半導体装置メーカー、「エフオーアイ」であった。ご存知同社、上場申請書類に虚偽の決算情報を記載していた事件が発覚し、監理から整理ポスト入りし今回の日を迎えたというもの。

最終日の出来高は20,400株、ところで規模こそ全然違うがJALの時もそうであったように最終日の売買代金なるものどんな奇特な向きが買うのだろうかいつも疑問に思う。さてそれは兎も角、今迄いろいろと企業の上場廃止を挙げてきたものの今回驚いたのは、新規上場から半年そこそこで上場廃止になったその前例の無い早さだ。

通期決算の経験さえしないようなこんな?箱?は見た事がなく、その酷さに監査法人と企業にばかり矛先が向かうが、株主責任を被った投資家から見れば幹事証券や取引所にも応分の責任があろう。幹事証券は売ったら売りっぱなし、取引所は再三の通報にも重い腰を上げず「本格的に仕組まれたら見抜けない」と開き直るような話ではないだろう。

ただ難しいのは一方では新興市場活性化とのバランスという問題、汚れすぎている水も不正横行の栄養になってしまうが、水清くしてナントカともいう。正規ポスト?との兼ね合いもあるなか、目下新規開設の「東京AIM」も上場企業はゼロである。この辺についてはまた後で触れてみたい。


各所のCDS動向

昨日の米株式は大幅続落、メキシコ湾原油流出事故での「トップキル」なる封じ込め作戦が失敗に終った旨の報道が相次ぎ、BPのADRが15%急落するなど足を引っ張った。また同社のCDSも5年物が71bp拡大して173bpとなり、賠償責任の思惑など巡って米ハリバートンやトランスオーシャンなどもCDSスプレッドが拡大した経緯がある。

さてこのCDSについては昨年から当欄でもさまざまなシーンで取り上げているが、直近では日経紙あたりでも毎日公表している代表的指数「アイ・トラックス・ジャパン」が先週は170を越えて昨年11月のドバイショックの水準をも上回る場面が見られた。

リスクを回避するプロテクションを買う動きは個別銘柄でもそうで、中国でのストライキ勃発の影響で損失額が1日あたり30億円以上にもなったホンダのCDSなど中旬から上昇、この他の自動車株ではトヤタや日産などもこれらの上昇の後には株価も直近で新安値更新となっている。他、高格付け銘柄でもユーロ急落の影響でソニーやシャープなどの料率が上昇となっている。

ECBの総裁などはCDSの投機手段としての活用を止めるべきであるなどの考えを示しているが、現状社債との連動性もネガティブベーシス取引などの絡みで存在し、これらの動きから個別でも拡大解釈するならファイナンス事情への影響なども懸念されるところでもある。


商機とその裏

さて、昨日の日経紙には投信の保有者が負担する管理手数料の上昇が7年連続で続いている旨の記事があった。運用に手間がかかる新興国の株式や債券などで運用する投信の新規設定も相次ぎ、投資対象別ではこれらが最も高かった模様。

さてマクロでの投資対象の多様化は今迄伝えてきた通りであるが、狭義でもこの投信一つ取っても例えば今月設定の大和のインドネシアやらアセットマネジメントのフィリピンなど、また通貨選択型でも上記のインドネシア通貨ルピアや切り上げ期待のかかる中国元など投資対象地域やその選択通貨なども新顔が登場し広がりを見せている。

新興国といえばもう「BRICs」などは定番の域であるが、それ以外にも3年前に当欄で取り上げたベトナム含む「VISTA」、最近では野村が使っている「チャインドネシア」やラテンアメリカ含む「CIVETS」などという造語も「PIIGS」などと同様に登場し、またそこそこな金額が集まるからその需要も無視出来ない。

さて一方の現場だが、当然ながらこの手の新商品売り込みに余念が無いだろう。あまり表面化はしていないものの、若干の含みのあるモノや傷みの浅いモノからこの手へのスイッチを一頃のノルマ合戦の如くせっせと推奨している様が目に浮かぶ。毎月分配型など源泉税分複利でマイナスになる等も指摘される中、解約水準の高さや保有期間の短期化など商機の副産物として気になる記事も多く、この辺も事前に冷静に見る事の出来る目も必要ではないか。


アパレル明暗

本日の株式市場はユーロへの警戒感が強く終日冴えない動きが継続されていたが、そんな中でも朝方から大量の買い物を集めてストップ高の比例配分とひとり異彩を放っていたのがレナウンであった。また、思惑からここ物色されていた同族のルックもこれで再度買い物を集める展開に。

ご存知、この休みの間に同社が中国の繊維大手である「山東如意集団」に対して第三者割当増資を実施し、山東如意集団が株式の約4割を取得、同社の傘下に入る見込みとなったのを好感した動きであるが、この通りにコトが運べば中国企業が東証一部上場企業を傘下に収める初のケースとなるのではないか。

この業界も構造的にキツイ。基幹ブランドを擁する同社などはその性格上長年百貨店と共存してきたが、この高い利益率の構図が崩れ最近のアパレルはファミリーセールやら特別招待やらではものすごい値札が付けられている様を見る度に在庫の恐さを改めて認識する。しかし此処もアクアスキュータムを手放し、ダーバンくらいしか記憶に残るブランドが無いが、これで復活劇なるや否や。

日本企業に限らず今やボルボや、ハマーも中国傘下。実しやかに云われる人民元切り上げなど現実のものとなれば、一段と海外株式など手当てし易くなり中国企業のこうした動きがより一層顕著になるのは想像に難くないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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