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相場頼み?

なにやら新システム稼動4日目にしてTOCOMも大変な事態になっている模様だが、そのTOCOM系銘柄が軟調な入電であった事からロンドンではこの手の商品株が売られ東京市場も総じて似たような展開であった。

またこの系統では商社株もあるが、週末に出揃った大手総合商社7社の09年3月期決算は純利益が軒並み二桁減、来期も減益予想が目立つという厳しい数字が並んでいた。

さて商社といえば一年前の今頃を思い出すと、原料高に多くの業界が苦しむ中をこの大手では6社が最高益を更新しまさに一人勝ちの状況であったのが記憶に新しい。そんな一人勝ちの状況にヤッカミも多かったが、当時は低価格時代の資源投資で大きくリスクを取った結果のリターンだと商社側は口を揃えたものだ。

しかし当時値上げで妥結した価格交渉もあって09年も安泰視されていた企業もあるが、こうした企業ほど株式急落に直撃され多大な損失になったという変な因果も。今後は価格乱高下で業績が変動しないよう資源から非資源へと軸足を移すとの声もあるが、このポストはやはり相場とは切り離せない証券株にもある部分似ているもの、そうした事からも各社今後の投資分野がまた注目される。


消えゆくもの彼方此方

さて当初は思いもよらなかったが、この休日前に結局三井住友FGが日興の事業を買収する事で合意した模様。三井住友といえば常識的に先ず大和が頭に浮かぶ構図でこの件での大和側の混乱は想像に難くないが、今後銀行側がどう調整してゆくのかその手腕が非常に注目されるところ。

ところでこの証券といえば28日までに出揃った主要17社の09年3月期決算が日経紙経済面に出ていたが、ガリバー野村を筆頭に14社が最終赤字となるなど果たして厳しい数字が並んだ。一寸逸れるが斯様な環境下で、証券三大紙の一社に位置していた市場新聞社が本日はパンクするなどなんとも淋しい報道もあった。

斯様な収益環境が続けば再編圧力が高まるとあったが、当欄で再編モノに触れて来ただけでも取引所から始まって再編対象業種はそれこそ万遍なく広がっている。内からなるモノと外からなるモノとその起因にはいろいろなケースがあるが、まあここ数年でこうしたど真ん中の金融系中心に随分と想像もしていなかった景色に変りつつあるのは事実。

最終黒字を維持したのは僅かにSBI等のネット系3社であったが、そうそうSBIといえば週明けにはとうとう国内商品市場から撤退を表明し当のSBIフューチャーズは7月でヘラクレスから消える事に。新規上場から僅かに3年、そのチャートを眺めると何とも複雑な気分になって来るがその辺は兎も角、以前業界を「土砂降り状態」と表現したグループのCEO曰く「国民経済に必要な市場だと思って参入したが、そうではなかった。監督官庁に業界を育てようという意識が感じられない」と。いろいろな意味でなんとも深い一言だ。


Going Concern

本日の日経紙経済面には新興市場活性化策の内容に一部触れており、市場に新規上場する際の基準を緩める他、新興企業の内部統制や情報開示に関する規制を緩めるように求めるというような内容であった。

さて基準緩和といえば直近で金融庁が踏み切ったものに「継続企業の前提に関する注記」の基準緩和に踏み切った件がある。日経紙財務面にたまに出てくるゴーイングコンサーン絡みの記事でも、昨今は馴染みのある名前がポツポツと並びその対象企業がたしか過去最高になっていたと思う。

しかし百年に一度の危機とやらで昨年から当欄で触れてきた時価会計や上場廃止基準の緩和等々、其処彼処で緩和の波が起きているが折しも来週には決算発表企業も大手含めて一段と増すスケジュールの中、はたしてこれらは歓迎すべき事なのであろうか?

まあ昨年書いた時価会計基準一つ取っても昔はこれで虐められたクチだが今や大国から率先?して緩和のススメである。そう考えるとこんな世知辛い時は皆で足並み揃えてクサい物には蓋をしましょうと言っている今が変?に幸せなときなのかとも思う。


定価から低価

昨日に続いて廉価モノで目に留まったのは、本日の日経紙財務面にあった吉野家HDの09年2月期の連結が前期比41%の減益になったとの報であった。

ファストフード系でもなかなかうまくいった事の少ないラーメンやすし等の多角化事業は果たして赤字であった模様で、更には本業の牛丼事業の売上も減少との事であるが、何故同記事が目に留まったかといえばちょうど昼時に立地のよい同店の前を通り掛った際に、主力時間帯であるにも係わらず心なしかお客さんもマバラであったような感じがしたからである。

もっともこの辺は二極化で吉野家でも中間帯に入りつつあるが故の事例とも思ったが、今やワンコインどころか移動販売でもこのワンコインを下回る設定が標準、それらをベンチマークにすると確かに今の定価も高価?にも見えてくるマジックがある。

昨日も書いたようにコンビニも定価から更に一段の値下げ競争、そのコンビニではあのスタバのコーヒーでさえ缶で100円台で買える時代になっている。全般可処分所得が厳しくなりつつある昨今、何処までこの動きが業界を侵食してゆくか。


廉価優勝劣敗

今日は以前よく立ち寄っていた都内某メインストリート沿いのコンビニに行ったら少し見ぬ間になんと閉店していたのに驚いたが、さてこのコンビニといえば昨日は大手4社の平成21年2月期決算が出揃っていた。

所謂タスポ効果もあってかうち3社がチェーン全店売上高、営業利益共に過去最高を更新しており、なんともこの消費低迷でスーパーや百貨店が軒並み不振に陥る中を最高益の一人勝ち状態といえるものの、上記の効果一巡感もあって今期は営業増益率鈍化、値下げ競争も激化の様相になると本日の日経紙あたりは伝えている。

しかしこの状況下、モノ売りでも優勝劣敗?が鮮明化している。上記のコンビニ始め以前当欄でも触れたユニクロのファーストリテイリング、靴のエービーシーマート、家具のニトリ、食では餃子の王将フードサービスやハイデイ日高等々過去最高益更新組はこの時世でやはりその存在感が目立つ。

不要なモノは買わなくなり、衣・食・住と景気悪化でそれぞれが手控えられてしまう分野での最高益更新はなるほど各社やはり各々の個性が光る。先のファーストリテイリングなどあのジル・サンダー氏と提携したのには小さな驚きがあったが、安く満足してもらう物創りと言うのは簡単であるもののこの辺で格差も更に拡大するか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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