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ワイドの恒常化

昨日の日経紙経済面だったか東京証券取引所が、CDS指数を作成し投資信託として上場する所謂損失肩代わり商品のETFを検討するとの報道があった。

このCDSも昨年あたりから俄かに脚光を浴びて有名な固有名詞?の一つになったが、直近でこれに関連した銘柄として思い当たるのは株価暴落から一転急騰の乱高下をしているソフトバンクが挙げられ、他にも似たようなボラタイルな金融株があるもののマトモ?なところで600円そこそこから二ヶ月の間に1,000円以上も戻したのだから何とも凄い。

この背景にはCDSを組み合わせて構成する合成CDOという債務担保証券に絡んだ思惑があったのだが、構成銘柄のデフォルトが一つ出る度に数百億円の損失となって表面化する訳だからそのディスクロのあり方も今後の課題として問われようというもの。

その辺は兎も角としてこのようなエッセンスを汲んだ商品が個人レベルにまで降りてきたのには時世の流れを感じるが、金融危機の狭間に咲くあだ花?はまだ今後数多く出てくることになるか。


急場凌ぎ措置

連休最後の昨日の日経紙一面には東京証券取引所と大阪証券取引所が、株価急落企業の増加から上場廃止基準を緩和する方針が載っていた。

この上場廃止基準に関しては当欄で年末にモラトリアムを設ける事で一時凍結する旨一度触れているが、結局年が明けても状況がさほど改善しないので取引所同士で足並みを揃えた措置となったとか。

その緩和の中身としては時価総額下限を4割前後下げるという内容だが、昨年の日経平均が年間で約4割の下げであるから概ねそれに則した内容となったというわけか?

ところで年末に取り上げた時も最後に「猶予期間が延びた事による延命がはたして良いのか否か、いろいろと考えさせられる。」とコメントしたがIPOもこの地合いで不振、東証撤退の外国企業も続出という状況下これ以上の地盤沈下を何とか避けたいとの思いも少なからずあると思う。

そう考えてしまうと何とも後ろ向きな措置は否めなく、もともとこうした企業は個別ではリクイディティー始めとして幾つもの問題点を擁しておりそうした点では問題銘柄を抱える商品取引所も似たようなものであると改めて感じる。


Euforia

本日も日経平均は続伸し06年の春先以来実に2年9ヶ月ぶりの7連騰となった模様、また商品も方もリスク資産への一部流入からか殆どの銘柄がストップ高も交えここ最近は高くロイター・ジェフリーズCRB指数も昨日まで約5週間ぶりの高値まで回復してきている。

素地として相場が枯れていた折に個別の多くは各種指標が11月〜12月に掛けて既に陽転していたという事もあって別段「懐疑の中で育ち」というわけでもないのだろうが、ボンヤリとやはり背景には「オバマ・ユーフォリア」の指摘も一部には為されている。

折しも丁度円安に振れている事で指数に寄与し易い主力が先導し、上記の点では次期米政権の景気対策が8,000億に届こうかという莫大な規模だけに骨子が明らかになるまでの真空地帯は安心感も出て来ようというものだが、しかし円安といっても今だ多くは下方修正が出かねない水準でなんとも慣れの感覚は好い加減なものである。

肝心の財源も焦点になってこようが、パンクした向きの社債オークションのディスカウントを見ても明らかなように架空の資産バブルなるものもCDS含め時限爆弾のようなもの、第三四半期決算でブレる向きも多くなりそうで次第に選別化も出てくるか。


一足早い大納会

飛び石で本日はイヴ、気が付けばもう大納会まで一週間もなくはや何とかという感が強いが、そういえば電子化控えた端株整理の為にイヴの本日で一足早く年内最終取引を迎えた銘柄もある。

それにしてもいろいろあった今年の株式市場、直近ではゴネていたGSが一転して態度を軟化させパナソニックの三洋電機買収交渉が決着、1円の違いで早々翻るとの疑問も一部にあるようだが当のGSも上場来初の赤字の中を優先株転換や損切り部分を考えればその尺度からいっても今の時点では美味しい値でいい加減売っておこうというのは自然な行動か。

1円は役者のメンツ代?というところだろうが、これだけ妥協したとはいってもこのGSや大和はそれぞれ1,000億円の売却益が転がり込みリスクを取った対価はしっかりと享受する模様。

しかしこれに限らず将来を見据えた相乗効果を狙ってのM&A戦略というか青写真もこういった時世の流れの中では垣根を越えたケースも出てくるであろうし、こうした事で気が付けば消えゆく名門ブランドも幾つか出てくるのは仕方無しなのかなという気もする。


Welcome 不況

先月当欄で触れたようにジャスダック証取に対する大証のTOB応募は本日締め切られたが、TOBでも本日日経投資二面に載っていたように日本電産が9月に提案したTOBを取り下げると発表した東洋電機製造は買値が当時約二倍という破格の提案で急騰した分失望感も大きく、昨日のストップ安に続き本日も高寄りするもあとダレて続落となっていた。

ところでこの日本電産といえば永守社長が何かのインタビューにて、不況であるが故にM&Aやまた人材面においてもチャンスが巡ってくる可能性があり、いよいよ待ちに待った不況が訪れたという旨の持論を展開していたという記事を何処かで見掛けた事があったが、これに似た話では旧松下電器グループの創業者である松下幸之助氏の不況に対して事或る毎に「不況またよし。改善、発展への好機である」との名言が頭に浮かんだ。

勿論こうした容易に真似の出来ない強力なカリスマ性や強固な財務基盤をベースにした上に成り立ちこれらの言葉も信憑性の出るものであるが、今回の件でもその身の引き方一つ取っても次の策略を睨んでか否か実に潔い。広義では同じと思うが、投資家は少しでもこうした事例から見習うべき点を見つけたいものである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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