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特注指定解除

本日は後場に入って日経電子版が東京証券取引所が東芝株について、内部管理体制に問題のある「特設注意市場銘柄」の指定を解除する方針を固めたとの配信が為されたが、ちょうどこの配信に合せるかのように当の東芝株はマイナス圏から一気にプラス圏に浮上、高値からは値を削ったが辛うじて前日比プラスで引けた。

同社株といえば周知の通り15年9月に不正会計問題を受け特注銘柄に指定されていたが、3月に提出した再発防止策や聞き取り調査等を受け内部管理体制は改善したとの判断という。とはいえやはり70年近く上場していた名門が上場廃止ともなると市場への影響はあまりにも大き過ぎるという事なのか。

かつて東証一部大手どころの上場廃止劇といえばかつては虚偽記載の西武や、同じく債務超過のカネボウが結局廃止の決定が為されたものの、2006年の日興コーディアルあたりから維持が続き翌年のIHIも然り、その後はオリンパスも維持の決定がなされ復活劇を果たしている。

いずれにせよこれで一先ずは上場廃止の危機を脱した形となったが、2年連続の債務超過を回避出来なければ依然廃止の可能性は残っている。本質的な部分はやはり企業風土の改善なのだろうが、先ずは来年3月までに半導体子会社の売却を完了させられるのかどうか緊張は続く。


HFT対策

さて、先週末の日経紙投資情報面には「株価急落 抜け穴 塞げ」と題し、東京証券取引所がHFT業者など新しいタイプの市場参加者が増えた事で株価の急激な変動を抑えたり、取引終了時の売買を成立し易くしたりする措置の導入など売買制度の見直し論議を進めている旨が載っていた。

冒頭では2月に起きた東ソー株の急落劇が挙げられていたが、確かこの時はちょうどみずほ証券がレーティングで買いを継続し、目標株価も30%近く引き上げた後に起きた出来事だっただけに急落劇は誤発注であったとの噂が直ぐに駆け巡ったものであったが、冗談半分で買い指ししていた向きなどラッキー約定だったものの逆に逆指しの売りなんぞを入れておいた個人など本当に災難だっただろう。

HFTがシェアを広げたのに伴い板がスカスカの薄商い銘柄でさえ時に指し値発注時に必ず一文ハネた注文が同時に出てくる場面などしばしば起こるようにもなったが、しかしクウォートスタッフィングやレイヤリング等々本当にルールの隙間を狙っていろいろなシステムを考えてきたものだ。

これらが罷り通ってしまっている裏でスケープゴート的に見せ玉等で摘発される向きが時に哀れにも見えてくるものだが、いたちごっこになっている現状ワーキンググループもHFTのシステム開発者等など先回り的な助言者が必要なのではないか?いずれにせよ東日本大震災時の動き等々を踏まえても売買制度見直しは早急な課題の一つである。


VICEの活況

さて、米ラスベガスで起きた銃乱射事件の衝撃は報道等で日を追う毎にその酷さが更新されているが、何事もなかったかのように明け2日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が大幅に4日続伸し史上最高値を更新、個別では自動車関連や電気通信の上昇と共に銃器メーカーも物色されるという毎度の異彩を放っていた。

斯様に大規模銃乱射事件が発生すると防衛心理や、駆け込み需要期待からこのポストが買いを集めるのが市場のお約束でアルゴもそうプログラミングされているが、昨晩もオーリンが6%の上昇で過去最高値をも更新し、スターム・ルガーが4%高、そしてアメリカン・アウトドア・ブランズも3%超の上昇とベガスのカジノ株やホテル株ときれいに明暗を分けていた。

先に日経紙では北朝鮮情勢に打開の糸口が見えないなか、SRI投資の真逆をゆくVICE FUND(ワル者ファンド)が昨年末比で約16%値上がりし米国株全体を上回ったとの記事を見たが、東証でも北朝鮮労働党の創立記念日を前に石川製作や細谷火工の防衛本命株が急騰し年初来高値を更新している。

上記の事件は米国史上最悪の乱射事件とされているが、さてこの事件で米国の銃社会が変わるか否か、それは兎も角いずれにせよ内外共に株価指数が過去最高値や年初来高値を日々更新している中でVICE銘柄が急騰しこうした活況の一端を担っている様は或る意味不気味でもあるか。


株主提案の真意

本日の日経紙投資情報面には来月の定時株主総会において内田洋行が、実質的に5%強を保有している投資ファンドが提出している取引先等の保有株式を売却し、2017年7月期の1株当たり連結純利益と同額を配当に充てる事などを求めた株主提案すべてに反対すると発表した旨の記事があった。

同社は定時株主総会に先駆けて2017年7月期の年間配当の積み増しや、3.97%を上限にした自社株買い実施を発表しているものの上記のファンド側との乖離は大きい。とはいえ株価の方はここ一連の株主還元策を好感し、本日も順調に先の年初来高値を更新し同時に上場来高値をも塗り替えてきている。

大株主である投資ファンドの提案といえば記憶に新しいのが今年夏の黒田電気の総会で投資ファンドのレノが提案した人事案が承認された一件だが、ちなみにこのレノが大株主に出てきたイノテックも直近で内田洋行と共に上場来高値を更新してきているROEの伸びしろと併せ会社政策と大株主提案の間で対象銘柄の株価は今後も思惑含みな動きが継続されるか。


UUUM上場

さて、昨日はユーチューバーのマネジメント業務をおもな事業とする(UUUM)がマザーズ市場に新規上場となったが、蓋を開けてみれば初日は買い気配のまま値付かず、上場2日目の今日は差し引き34万株の買い気配で始まり、結局注目の初値は6,700円と実に公開価格2,050円の約3.27倍となった。

所属クリエーターは(ヒカキン)氏や(はじめしゃちょー)氏等々有名どころが名を連ねているがそれだけに小学生でも同社を知っていたのには驚いた。ヒカキン氏など大株主に名を連ねているがその数六万株、初値でナンボとソロバンを弾きたくなるが、2008年に上場した一流アスリートマネジメント業のサニーサイドアップ上場の時にもサッカー元日本代表であった中田氏も数十万株の大株主だった事から同じような下衆の勘繰りで話題になったのを思い出す。

とはいえココと明確なる類似企業が存在しない初物IPO案件、先に取り上げたVALUもそうだが近年のテクノロジー進化でIPOの顔ぶれも本当に変わってきた。かつてライブドアの小学生株主が話題になった事があったが、上記の通り小学生でもこの企業を知っているのを見るに今後の分割如何では憧れる小学生の株主がまた話題になってもおかしくはない、そういう世の中になって来たという事か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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