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デリバティブ刷新

さて、今週は連休明けからJPX傘下の大阪証券取引所がシステム刷新し「J-GATE」が稼働を始めた。注文受注してから約定・通知返信までの処理速度は従来の20倍に上がり、取引時間も日中取引が従前より15分早まり、夜間取引も従前より拡大し午前5時半まで延長されることとなった。

これに伴ってデリバティブの上場も4商品が増える事となったが、特にマザーズ先物は鳴り物入りの登場。マザーズ市場はスタートして17年が経過するがこれまでヘッジ手段が無かっただけに、これまで投資対象外としていた機関投資家の参入が見込まれ、また個人も日経ミニ並みの投資資金から参入し易いと期待されている。

ちなみに初日は静かな滑り出しを見せ、個別ではマザーズの代表格であるそーせいグループは前週からの地合いを継いで下げ止まらない展開であったが引け間際に急上昇、全市場値下がりランキングでは1位から7位までがマザーズ銘柄がズラリと並び指数は4日続落となっていた。

これから早晩ETF等の枝葉も広がってゆくのは想像に難くないが、レバ系の創設如何では荒れを予想する向きもある。この辺は構成銘柄如何に懸かって来ると思われるが、それ以前にSQ一つ取っても品薄現物の全てが常に約定可能なのか否か裁定のオペ等も併せて今後に注目してゆきたい。


LINE上場

先週末は周知の通り対話アプリのLINEがNYSEに続いて東証ではれて上場となった。一足早かったNYSEの方は公開価格32.84ドルを27.9%上回る42ドルの初値で好調スタート、これを反映し東京市場も差し引き約670万株の買い気配でスタートし注目の初値は公開価格3,300円を48.5%上回る4,900円で形成となった。

当欄でLINEについて直近で触れたのが先月の2日で「三度目の正直」というタイトルを付け、その約2週間後に日経紙も全く同じタイトルで取り上げていたが、IPO観測が出た当初がまさにSNSバブルだった事で時間総額の急減が云われていたものの、初値ベースでの時価総額は1兆円超えの約1兆290億と今年のIPOで最大規模となった。

任天堂やFリテイリのストップ高など他の値嵩も大騒ぎの資金争奪戦だったが、OLCの時もそうであったように需要が集中する一方で、関連銘柄とされ先駆していたアドウェイズやネットイヤーグループが急落、そしてメディアシークやネオスに至ってはストップ安まで売り込まれるなどの憂き目に遭っていた。

ところでこの後年内のIPOで個人に身近な企業で注目を集めそうなものでは旧国鉄で4社目となるJR九州があるが、このLINEが下期IPOを上手く牽引するや否や通年では昨年並みの100社程度とみられるIPO社数だが、この辺を境として堅調持続するかどうかもまた注目か。


ランキング売買

昨日に続いて本日も日経平均は大幅続伸となったが、そんな中でやはり値嵩の任天堂などは目立つ存在。先週末からスマホゲームのポケモンGOの人気が業績に寄与する期待を膨らませ、昨日も先週末の余勢を駆ってストップ高まで買い進まれ、更に本日も大幅続伸で年初来高値を更新している。

このポケモンGOだが、米アプリストアでは売上高・ダウンロード共に1位、アンドロイド端末向けでは1日あたり利用者数がツイッターに肉薄というからたいそうな人気だが、これによって僅か数日で時価総額が1兆円近く変動するというから凄まじい。その辺は兎も角もスマホゲームに全く縁も興味もない向きも稼ぎの為には最低限の知識が求められる時代になってきた。

アナリスト的には従前の据え置きから旬なスマホへと軸足が移行する期待云々と始まりそうだが、そんな能書きより今や指標になってしまったゲームランキングを頼りにイナゴが群れる様はガンホーが全盛の頃よりも更に顕著になってきている感があり、目先で逃げる脆弱さも同時に露呈している。


コメダ上場

さて、本日はコメダ珈琲店を擁するコメダHDがはれて東証一部に上場となった。注目の初値は売り気配からのスタートとなりシンジケートカバーによる売り買い一致で公開価格1,960円を4.7%下回る1,867円となった。

同じく揃って本日の上場を果たした実質再上場のソラストと共に公開価格割れとなるスタートとなってしまったが、公開価格の1,960円から試算したPERは19倍強と同業の東証一部ドトール・日レスHDの約15倍や、東証一部のサンマルクHDの約14倍などと比較した割高感がやはり警戒された部分も大きかっただろうか。

とはいえ業態はコーヒーそのものに重きを置くというワケではないので上記二社ではサンマルクにより近いといえるが、大きなポーションが珍しがられる以前から時々利用してきた経緯があるだけに個人的にはどことなく愛着もある。ROEはブレが目立つもののEPSは伸びてきており株価と共に今後に期待といったところか。


新興アノマリー?

さて、先週末の日経紙マーケット面には「格言通り?新興株急落」と題して、春先から急騰した東証マザーズ指数の先導役であった創薬ベンチャ−のそーせいグループ株が25%下げ、連れて指数も急落した旨が載っていた。特にマザーズ市場の5月は成績が悪く「セルインメイ」によく当て嵌まる事で今年も格言が使われ易いか。

ところでマザーズの代名詞ともいわれるそーせい株だが、JASDAQ-TOP20のETFでいえばかつてのガンホー株のような存在になりつつあるといったところで、それもそのはずその時価総額はマザーズ指数の約2割に達するなど銘柄別で最大な事に他ならない。ガンホーは実に5割(ETF)に達したが、これも新高値を更新如何では当然占有率も変化してくる。

日本取引所グループは傘下の大証が来る次期売買システムの稼働に合わせマザース先物を上場する予定で、同社株にもこれに先駆けて先回り買い等も入っていたとの指摘も一部あるが、これに続くミクシィやサイバーダイン等々時価総額上位10社で全体の半分近くを占めることになる。225と違って個別の規模が異なるだけに、一方で裁定のオペなどどうやっていくのか今後も興味深いところである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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