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妖怪銘柄

本日の株式市場は小幅に3日続落となったが、ザラバではプラス圏に浮上する場面があるなど欧米の軟調からすれば底堅さが目立つ感がある。個別の値上がり率ランキングなど見てみるに新興市場含めた仕手っぽいところが並ぶのはいつもの光景だが、マトモな?ところでテレビ東京HDがランクインしているのも目に留まる。

週末に上方修正の決算が出ていたということもあるが、やはり同局が放映する「妖怪ウォッチ」の異常ともいえる人気が煽ったという側面も大きい。つい昨日の日経紙でも「妖怪ウォッチ長〜い列」と題して、週末に発売となったオモチャ目当てに1,000人を超える行列ができたという旨が載っていたがいやはや凄い。

抽選制で当選者番号が張り出されるなど受験の合格発表さながらの光景も異常に映るが、そんなワケでテレ東に限らず本日はこの新商品を発売したバンダイナムコHDも年初来高値を更新、更に玩具卸のハピネットもこれまた大幅高で年初来高値更新と妖怪ウォッチ関連銘柄が軒並み大幅高となっている。

しかし、こうなるとまたぞろネットではモラル無視で入手した品々が法外な値段で取引されるお約束の光景が目立つ。一寸前まで仮面ライダー関連も毎回こんな光景が繰り広げられていたが、この辺は変わらず。個別銘柄への悪ノリは許せるが、子供の夢をこんな形で利用する妖怪連中はほんとうに残念な限りである。


大口目線

さて、一昨日に取り上げた通りで連休明けから東京証券取引所では呼び値変更第二弾として、「TOPIX100」に採用されている銘柄を対象に5,000円以下の銘柄の刻み値が0.5円、また1,000円以下は0.1円に縮小されている。

この辺は昨日の日経紙にも出ていたが、10銭単位に変更になった中では(みずほFG)が売買代金が130%へ、50銭単位に変更になった中では(ニコン)が同155%等に増えた模様。ただ当然ながらこのニコンと双璧の(キャノン)など見るにボラが非常に小さくなったのが目立つ。

当の東証ではCEOが「価格改善効果の恩恵が、幅広い層の投資家に及ぶ」と強調、投資家の利便性が向上し中長期的な市場活性化につながるとの考えのようだが、前述したように「幅広い層の投資家」ではなくて「機関投資家やヘッジファンド層」へ恩恵ではないか?順番待ち時間が短縮された裏で値幅が稼げなくなったデイトレ組など改善というより改悪のイメージが強い。

ともあれ胴元が機関投資家目線で決めてしまった事だから、こうした銘柄は早々に諦め個別では同じ低位でも呼び値変更対象外のモノが蒸し返しで物色される場面も見られた。ところでこうなるとこれはこれで幕間繋ぎで選好されてきた新興市場や二部への関心が一段と強まり、意外に暫くはこちらの循環物色が続く地合いになるかもしれない。


刻み値変更第二弾

今年のあたまには「TOPIX100」採用銘柄のうち株価が3,000円超の銘柄対象に刻み値が引き下げられ値嵩の板など見慣れない光景が展開されたが、投資家には周知の通りで連休明けの本日からこの第二弾として、「TOPIX100」に採用されている銘柄で且つ株価が5,000円以下の銘柄の刻み値が0.5円、1,000円以下は0.1円に縮小されている。

FXが主流の向きや株式でもPTS等中心にしている向きは違和感という意味ではあまり抵抗なく入れるだろうが、低位から値嵩まで本日から変わった板を見るに板読みしていたデイトレ組にはなんとも無意味な銭単位の数字がズラリと並ぶ異様な光景になった。

異様といえば、価格の似ている者同士で例えば日経平均高寄与度銘柄の京セラは同時にこのTOPIX100採用であるために5,000円近くの株価ながら末尾50銭ずつの歩みになるが、同じ225採用でもTOPIX100に入っていない同様な価格帯のTDKは従前通り刻み値が5円単位で、これを機に両社の変動幅には大きく差が出ることになる。

何れにせよそんなワケでこれらの対象銘柄は本日より板読みがほとんど不可能になり、構造的に値幅が稼げないことで短期目的の用からは除外されることになるか。本日始まったばかりだが総じてこれだけ見れば個人の利便性は低下、プログラム売買にはやや有利というところで機関投資寄りという感だが暫く様子を見てみよう。


旧北浜モノ

さて、昨日で日本取引所グループが傘下の東京証券取引所と大阪取引所の現物株部門を統合してちょうど1年が経過した。この統合、大阪から約1,100社を引き継いだが特にここまで大証単独モノにその統合効果は顕著で、昨日の日経紙にも「日本取引所、現物株統合1年」と題しその辺が載っていた。

その知名度から統合効果の前評判が高かった王将フードサービスなど、同紙によれば統合1年間の1日平均売買高は統合前に比べて2.9倍にまで増えた模様で、他に名村造船所も元々ファンドの買い集めなどで独特の動きが人気だったものだが、これまた売買高は統合前に比べて2.2倍にまで増えた旨が載っていた。

また上記のような一部に限らず二部銘柄を取ってみても、昔の北浜銘柄らしく通好みの仕手モノが多数ありこれらは一部モノまでいかなくともそれなりに物色機会も格段に増え、取組を作れるものは相場を楽しめる期間も明らかに旧大証時代より長いものになってきた感がある。

斯様に現物株の方はまずまずといったところだが、今後はやはりもう一つのデリバティブが焦点か。世界規模でみるとどうしても後れを取っているのは否めず、此処をどう舵取りしてゆくのかが課題になってこようか。


恐怖指数あれこれ

さて本日の日経平均は4日続落となったが、値幅調整という感には乏しい。先週末の日経紙には「世界株に広がる過信」として、低金利で運用難の世界の投資マネーがより高い利回りを求めて株式等へ流れ込み金融マーケットに楽観論が広がっている旨が取り上げてあった。この辺を物語るのに(米VIX指数)が挙げられ、直近では米住宅バブル末期の2007年2月以来ほぼ7年ぶりの低い水準に下がった旨も書いてあった。

見出しの「世界株に広がる過信」の通り、上記の日経紙が挙げた米VIX指数のみならず、例えば欧州ではVIXに当たる(VSTOXX指数)も足元では2006年12月以来の低水準となっている。当欄でも先週取り上げたばかりであったが、なるほどこれらの楽観ムードからタイトルで「年初来安値」とした通りこれらに連動するETFやETNなど軒並みショートの対象になっている。

さしずめ日本で欧米のこれら同様物差しにされるのは(日経VI)というところで、こちらも足元では2011年2月以来の水準となっている。ただ本邦の場合は週明けの売買代金は04/22以来の1兆4000億円台にとどまるなど市場参加者の減少がいわれるなかで、TOPIX系への傾斜を割り引く必要があることからやはり周りに支えられている感が否めずこのリスクを内包しているという事は頭の片隅に置いておいた方がよさそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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