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大阪取引所

週末には1949年から65年にわたって運営してきた「大証」が最後の取引を迎え、連休明けの本日から東証との両取引所におけるデリバティブ市場を大阪に集約し新たに「大阪取引所」としてスタートする運びになった。

この集約といえば前回は東証への現物株の集約であったが、今回は大阪へデリバティブとこれで役割分担が明確化する。これに伴う集約商品としてはTOPIX先物・オプションや日本国債先物ほかVI先物といったところだが現物株ほどすべての投資家に馴染があるというわけではないのであまり話題になっていない感もある。

とりわけTOPIXはこうした分野では225よりマイナーな存在で各社扱いもまたそうであったが、今後扱いも標準化してくれば例えばNT倍率などに着目したサヤ取りなど利便性が向上するであろうし、ETFなどと絡めれば更に選択肢も広がろうというもの。

ともあれこれで統合作業としては最終段階ということになるが、今後はコモディティーや先に触れたように為替等の多様化へコマを進めるかどうかが焦点となってくるか。


木曜日のアノマリー

本日の日経平均は特に手掛かり材料もない中で大幅に3日続伸し、7営業日ぶりに大引で15,000円大台を回復した。GPIFの資産運用を巡る思惑や日本株の割安感が見直された云々の後講釈はいろいろと喧しいが、その辺の声と共に一部には漸く「木曜日のアノマリー」が破られたとの声も出ていた。

とうのも今年に入ってから木曜日に日経平均が上がらないアノマリーは実に先週まで8週間連続を記録。「ジブリの法則」に毎回乗ってトレードしているようなアノマリー好きの中にはここ数週間この「木曜日のアノマリー」にも提灯?を付けていた向きもいたと思うが、先物等を見ているとそういった輩の慌てたカバーが後場はけっこう入っていたような感もする。

こういった曜日別アノマリーなどは別に個人でなくとも金融大手総研のコラムなどでもたまに取り上げられるが、安定している?他ほどの収益性には未だ及ばず。やはり漸く多くの注目を集める頃にはこういった経験則も消滅に向かうのが自然なところで、先ず実践には常に観測され続けているというのを忘れず次の片鱗を見出してゆきたいものだ。


相乗効果は未知数

昨日は百貨店について一寸触れたが、この流通系といえば本日の日経紙社説には「流通業界で進む多角化戦略に潜むワナ」と題して、流通業界で業態の垣根を越えた買収や出資が昨今盛んになってきているものの、企業規模を拡大しメニューを増やしてもただちに相乗効果が表れるわけではないとの旨が載っていた。

近いところでは昨年末のセブン&アイ・ホールディングスの相次ぐ買収劇が記憶に新しい。私もTOB先の一つであるニッセンをたまたま直前に買っていたので、このTOBで年末に一寸した恩恵にあずかったが、これ以外にもその後のバーニーズやフランフランなど矢継ぎ早の買収はけっこう目立ったものである。

また直近では百貨店のエイチ・ツー・オーリテイリングも中堅スーパーのイズミヤを小会社化するとの発表があったばかりだが当のイズミヤの株価は反発する一方で、みずほや野村は統合に不透明感として相次いで目標価格の引き下げを行いエイチ・ツー・オーリテイリングは大幅安と明暗を分けていた。この辺も疑問符を如実に表しているといえようが各社共に今後の舵取りが注目される。


新ベンチマーク

さて、今週は先に東証が上場初承認となった野村アセットの「NEXTFUNDS JPX日経インデックス400」と、日興アセットの「上場インデックスファンドJPX日経インデックス400」の二本が上場している。日経紙等でもこのETFの広告を見かけたが、周知の通りこれら新指数であるJPX日経400に連動するタイプのETFである。

前にも書いたように、この指数の特徴はROEを重視したものであり、かねてより海外企業のそれが20%前後であるのに対し日本はせいぜいその四分の一程度に甘んじていたのが現状。斯様に「資本の効率性」が大きく見劣りするといわれてきた日本企業だが、この手の指数新設から枝葉が増えてくれば企業側にもそれらを意識したよい緊張感が出てこよう。

ETFでは来月に三菱UFJ投信のMAXISシリーズもこれらに続いて上場予定となっているが、これらに先駆けてこのJPX日経400に値動きが連動する企業年金向けファンドの販売も相次いでおり、従来のTOPIX連動型一辺倒の株式ファンドから新しいベンチマークの一つとして資金分散も徐々に促進されることになろうか。


今年も熱いIPO

昨日の日経紙マーケット面には、「新興株、個人の売買活況」として日経ジャスダック平均が連日で昨年来高値をつけ、東証マザーズ指数も高値圏で推移している旨が載っていたが、これを裏付けるかのように昨日の全市場値上がり率ランキングベストテンには軽そうなモノがズラリと並び、この10傑のうちジャスダックが5銘柄、マザーズが3銘柄の計8銘柄を果たしてというか新興市場が占めていた。

中には売買代金でも時価総額が数十倍以上の物と遜色無い金額を弾き出しているモノもあるから嫌でも目立つが、決算本格化を控えて主力へは模様眺め気分が強くなるなか比較的小額資金で動くこの手の新興市場にホットマネーが流入している構図か。

この手の小型は回転も早いが循環も早いのでやはり個人には非常に魅力的である。これらのなかには直近IPOモノも多く含まれるが、IPOといえば昨年は好地合いにも恵まれ54社が新規上場、一昨年末から続く「初値形成の負けなし記録」も実に55社目で途絶えるまで連勝が続きこれが更に現況のマネー流入を加速させたといっても過言ではない。

これらの資金調達額も4,000億円近くにもなるなど7年ぶりの高水準となったが、今年のIPOは昨年より更に増えるとの試算も出ている。既に話題となっているものにはリクルートやジャパンディスプレイ、そしてあのLINEなどあるが縦横無尽のホットマネーと共に今年のIPOも熱い相場展開になるのは想像に難くない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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