動きが読めるか否か
さて先週末にカナダの子会社がケベック州政府から訴状を受理したとの報があったJTだが、昨日政府は東日本大震災からの復興財源に盛り込まれた政府保有500万株のJT株式のうち約167万株の売り出しについて、主幹事証券として大和証券、みずほ証券、GS証券、JPモルガン証券の4社を選定したと発表している。
このうち取り纏め役となるグローバルコーディネーターとしては大和証券とGS証券が選ばれ、早ければ今秋の売却が可能という。ところでこの面子を見てやはり気になるのはあのガリバー野村の選定漏れという事態だろうか。例のファイナンスを巡るインサイダー取引関与が影響したのは想像に難くないが関心が向くのは今後である。
証券取引等監視委員会検査がヤマ場を迎える中、このところ当局の空気を蔑ろにしてきた同社への態度硬化が実しやかに喧伝されている。業績絶好調で株価も我が世の春を謳歌していたグリーやDeNAなどが俄かに挙がったコンガチャ問題からあっという間に時価総額を半分以下にまで吹き飛ばしたのは記憶に新しいが、こんな権力の逆鱗に触れたらたまったものではない。
いままで何度も書いてきたが、中小証券と違って大手証券はプライマリービジネスを取れる恩恵で中小組の数年分を一気に捲くれる強みが武器であった。本日の東証定例記者会見では野村出身の社長でさえ同社批判をしていたのが目立ったが、この売り出しの他も大きなところではJAL再上場も控えており今後コレも主幹事団の顔触れが変ってくるのか否かこの辺を見ておきたい。