物言い
本日の日経紙社会面では「株強制取得価格は適正」と題して、数年前に実施した住友商事とKDDIのJCOMへのTOBに関して最高裁が、買い付けに応じない株主から強制的に株を買い取る際の価格が低すぎると申し立てた投資ファンドなど海外投資家らの主張を退ける決定をした旨が載っていた。
TOBで不当に買い取り価格が低いとザワついた例としては、先月まで日経紙「私の履歴書」で会長が執筆を続けていた東宝も数年前に東宝不動産をTOBする際の価格に外国人株主の物言いがついて東京地裁が価格引き上げの決定を下したケースが思い出されるが、その前には西の大阪地裁ではTOBでないが、サンスターがMBOする際に不当に低価格として元株主側が公正な価格を求めた裁判が為され株主側が逆転勝訴したケースもあった。
同じMBOでは他にレックスホールディングスのケース、またカネボウのTOBなど形態は違えどこれまで斯様に多数なケースがあり、どれも比較的ファンド系に軍配が上がったケースが記憶に残っているだけに今回のケースも注目されたものだが、司法判断のニュアンスがこれを機に変わって来るのかどうか今後が注目される。