パリ万博150周年

さて、今週は岡田美術館が秘蔵するエミール・ガレやドーム兄弟のコレクションが公開される「ガレとドームの世界展」を観てきた。ちょうど一週間前にオキーフの絵を取り上げた時にエミール・ガレの名も挙げている通りで、ガレ好きな私としてはこれを近所の日本橋で見る事が出来る機会を見逃すわけにはいかない。

今年は日本文物がヨーロッパに正式デビューした1867年のパリ万国博覧会から150周年の節目を迎える年という事で、ジャポニズムに焦点を当ててアール・ヌーヴォーの工芸品と併せ他にも日本美術の清華を展示するに至ったという。そんなワケで葛飾北斎の「雪中鴉図」や伊藤若冲の「笠に鶏図」等も展示されていたのは嬉しい誤算であった。

肝心のガレの方はエントランスを入っていきなり正面に大作の「藤文ランプ」が鎮座しており久し振りに見るその姿はやはり圧巻。1800年代のエナメルや金彩を駆使したガラス器群の飴色もただただ美しく、透過光と順光で表情の変わる様が感じられる選りすぐりの作品も改めてその技術に感動した。

他にドーム兄弟の冬景色文や風雨樹林文シリーズなど色褪せない相変わらずの美しさであったが、上記のパリ万博では数多くの日本の文物が金賞を受賞し葛飾北斎の作品が後のティファニーなどへ多大な影響を及ぼしたのは有名な話。こうして日欧併せて並べ観るにそういった事を思い出させてもくれる工夫のある展であった。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ