意見不表明

さて、これまで監査法人からの承認を得られず2度にわたり昨年4月から12月までの決算発表を延期してきた東芝だが、周知の通り昨日は監査法人から承認を得ないまま「意見不表明」として決算の発表に踏み切った。上場企業決算は監査法人承認によって信頼性が保たれている為、承認を得ず発表するのは極めて異例のこと。

今回は監査法人への不信感からまた延期してもいつ合意出来るのかわからず、前例のない3度目の決算発表延期要請となれば上場廃止の懸念も強まる事で監査法人の適正のお墨付き無しで発表に踏み切る事を決めた背景があるが、東証関係者は「夏休みの宿題を白紙で出すようなものだ」と厳しく批判、特設注意下で暗雲漂う。

ところで東芝株といえば先月にはシンガポールの投資ファンドであるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが、発行済み株式の8.14%を取得し筆頭株主に浮上した事が関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになっているが、今月に入って先週末にはこの投資ファンドが同社株を追加取得した事も明らかになっている。

ディフェンシブポストの雄だった東電からシャープまで近年は東証一部の名門企業でも破綻懸念に晒される事例が多くなったが、これから本決算発表に加え資金繰りから事業売却等々超えなければならない壁が数多控えるなか、政府や銀行団から投資ファンドまでそれぞれの思惑を乗せどういったランディングになるのか注目が怠れない。


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