アクティビストの捉え方
さて、本日の日経紙マーケット面には「還元期待 買いを集める」と題し、昨日のオリンパスのストップ高に見られるように「物言う株主」が保有する銘柄への買いが膨らんでいる旨が出ていた。このオリンパスだがクリスマスに付けた年初来安値から、一気に年初来高値を更新してきた背景には先週末発表の企業変革プランの策定があった。
特に異例だったのは大株主である有力アクティビストであるバリューアクト・キャピタルのパートナーを取締役に自ら受け入れるという点で、市場の想定を超えた大幅な構造改革を伴う組織変更がポジティブサプライズ視された。このアクティビスト、バリューアクトといえば当欄でも昨年の3月に同社が日本企業への投資を始める旨を取り上げたことが思い出される。
当時同じアクティビストの米エリオット・マネジメントが日立国際電気のTOB劇において価格引き上げ要求の揺さぶりをかけるなどの行動に出た事で同様のケース続出も予想されたが、懸念される全体価値よりも自社のリターンを優先させるのではという部分に関しては株主からの選任ありきではなくグローバル企業のガバナンスを検討した結果だとしている。
確かに同社はマイクロソフトはじめ40社以上に取締役を派遣した実績があるという事でオリンパス側は企業価値向上のカタリストとする意向を表しているが、今後アクティビスト側がどのように舵を取りはたして相乗効果も出るのかどうか株式保有姿勢とも併せて注目しておきたい。