ノルマの亡霊
本日の日経紙には「かんぽ不正、信頼逆手に」と題し、かんぽ生命保険社員が故意に保険料を二重徴収した疑いが発覚したりするなどの保険業法に抵触する恐れのある不正販売の広がりが止まらない旨が出ており、その背景には収益源である金融事業が維持コストの大きい郵便事業を支えるという特異な企業構造もある旨が書かれていた。
そんな構図なだけに当然ながら局員には販売ノルマが課せられていたというが、ここでは顧客の3割弱が70歳以上の高齢者が占めるという。かんぽ生命に限らず証券会社でも銀行でも金融商品の販売ノルマが絡む不正では、もうお約束のように必ず高齢者頼みの構図が露呈するケースが多い。
ジレンマに陥り身動きが取れなくなった証券会社を横目に、ここ数年で一部銀行が販売手数料収入より顧客の運用残高を増やした社員を評価したり、解り易い商品の情報提供等をグループ各社に求める指針を作るなど営業改革に乗り出す動きが見られる。利鞘稼ぎの時代から其の先に活路を見出すも、金融庁の求める販売体制とのバランスをどう図ってゆくかが課題になるか。