明暗分かれた在庫増

今月のアタマに当欄では「コロナの歪」と題し、昨今のコロナ禍を背景とした国境閉鎖や商業航空の大幅な減便など物流リスクの影響で現物デリバリー前提の裁定取引の困難から貴金属のNY先物価格とスポット価格との差が顕著になっている旨を取り上げたが、本日の日経紙商品面にはNY先物市場で現物の金の在庫が急増している旨が載っていた。

コロナショックの真っ只中から経済再開の動きを経て物流リスクも病み上がりの中漸く正常化に向けての歩みかというところで、併せて商機とみた裁定の方もこれが効いて来た格好か。これと併せCMEのデリバリー規定緩和も背景にスイスから米国向け金輸出は昨年比で4月は実に115倍に膨らんだという。

今週は週明けのNYダウがコロナウイルス感染第2波懸念からラバで急落する場面も見られたが、斯様に再度の物流リスクも睨みながらこの一連の動きの中で現物志向も高まっているという。在庫増といえば先のWTIも記憶に新しいところだが、同じ在庫増でも両者でその背景は事情を全く異にしているという感だ。


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