国際金融都市に向けて

ちょうど1週間前には東証がシステム障害により初の全銘柄の終日売買停止に追い込まれる事態となり当欄でもその旨を書いたが、先週末の日経紙・真相深層でも「東証縛った2つの約束」と題し2012年と2018年に起きた同様のシステム障害後に取り決めたよりよい運用を目指した約束が今回の件では裏目に出た格好との旨が書かれていた。

この項の末尾では「運用面でも様々な事態を想定した対策の準備が必要になる」と書いてあったが、今回の件もつい昨年末にシステム刷新した際に導入したばかりの運用系ネットワークにおける共有ディスクの故障が原因で事業継続計画にも再起動した場合のその後の手順は記載されていなかったという。

システム会社や会員などが一体となった体制作りが安定運用に欠かせないのは当然だが、前回も「親亀コケたら皆コケる」と他の地方取引所もこの影響を被った旨を書いた通り、今回改めてクローズアップされた斯様な取引所の一極集中という特異な形態も資本市場のインフラの根幹を支えている部分なだけに今後再考の余地が出てこようか。


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