警鐘

先週は日経夕刊・注目ニュース番付にも出ていた通り米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの報が話題になっていた。レバレッジ取引において追証要請に応じられず、これに絡んでいた日本勢ではプライムブローカーカレッジ取引で野村HDが約2200億円、ほどなくして三菱UFJ証券HDも英子会社で約300億円、新年度になってからやれやれ?とみずほフィナンシャルグループも約100億円規模の損失可能性の発表と報じられている。

このアルケゴス、かつてパラジウムの買い占めで名を轟かせたあのタイガー・マネージメントの出身者の資産管理会社であるが、報じられているところによればそのレバレッジは常識からかけ離れた実に800%とも2000%とも伝えられている。ヘッジファンドなら斯様に無茶なレバはかけられないが詳細のディスクロが求められないファミリーオフィスだからこそ出来た芸当といったところか。

当初は先のゲームストップ株のように個人勢によるポジション狙いの投機的動きがトリガーになったとされ第2のアルケゴスも出ると実しやかに喧伝されていたようだが、それは兎も角も今回上記のような異常なレバレッジ取引が出来たのも金融機関が多額の手数料収入を目当てに取引も人物も高リスクな物に多額の与信を行った点は否めない。

規制・監督当局も事態を注視しているというが、過剰流動性相場が続きボラが大きくなっているなか金融機関のリスク管理体制が問われそこに焦点が集まれば今後金融規制強化の議論に繋がる恐れもあるかもしれない。あのリーマンショックからはや10年以上が経過、当の米では主要株価指数が揃って史上最高値を更新するなか「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の諺を改めて思い出させるような事件が今起きたのは何かの警鐘か。


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