サステナブル社会へ
過日所用で高島屋へ行ったのだが、エントランスを抜けた先で目を引いたのは新たに取り組みを始める「Depart de Loop」の大きなデコレーションであった。これは販売した服を回収し新たしい服に再生して販売するという完全循環型社会の実現を目指した同社のプロジェクトで今が旬?なサステナブル社会を意識した感が全面に出ていた。
この手の試みはアパレル業界では既にユニクロがこれと同様のダウン商品のリサイクルを昨年に始めているが、ファッション産業は世界で年間約9200万トンもの大量の服が廃棄されている事で非常に環境問題に対して負荷が高いと指摘されており、石油業界に次ぐ世界2位の環境汚染産業とまで言われているのが現状である。
洋服の6割を占めるポリエステルのリサイクルは廃棄量の大幅な減少に繋がり、先月の日経紙の広告でもクラボウが再生ポリエステルを原料とする次世代羽毛を開発した旨が出ていたが、上記のユニクロと並ぶファストファッションの雄H&Mも2017年にはサステナブル戦略を発表、ZARAもペットボトルからの再生を既に導入している。
但し現状リサイクルの手法によっては石油で一から創るよりコスト的に高くなり、冒頭の高島屋の製品に見られるように自ずと末端価格に反映されてしまうのは以前当欄で書いた廃材から創ったチョコと同様か。とはいえ斯様に百貨店はじめイオン等も再生ポリエステルを一部使用した衣料品を先月から本格販売するなど大手流通でも続々とこの手の動きが顕著になってきており、漸く各社サステナブルに本腰を入れ始めたのが肌で感じられるようになってきた今日この頃である。