コメ離れの一方で
さて、先週に農水省は2023年度の主食用米の需要量(23年7月~24年6月)が過去最低を更新するとの見通しを公表しているが、翌日の日経紙商品面でも「コメ離れ、需給均衡遠く」と題しコメ離れが止まらない旨が出ていた。確かにパンや麺類といった食の多様化により、日本のコメの消費量はかれこれ60年近く減り続けているというデータがある。
ただ上記の需要量見通しはそれとして、米穀機構の調査では2022年の一人当たり精米消費量は5ヵ月連続で前年を上回っているというデータもある。今月アタマにも当欄ではコメに触れていたが、小麦高騰や円安で値上げの影響を実感し主食をコメにスイッチするなどコメに着目する向きが増えて来ている証左だろうか。
コメといえばもう一つ、世界では日本食マーケットの拡大を背景にコメの引き合いも拡大傾向にありコメの輸出量も増加傾向にあるという。農産物といえば今年のアタマに輸出が悲願の政府目標1兆円を超えた旨を書いた事があったが、足元の急激な円安で日本のコメは世界から更に安価に映っておりこれを商機として活かせるかどうかが注目される。