候補争奪戦

先週末の日経紙ビジネス面の「株主総会2023」では、コーポレートガバナンスコードに取締役会にジェンダーの多様性が必要との明記もあり、女性取締役不在の場合は株主総会で経営トップに反対票を投じる機関投資家も増えている事なども考慮し株主総会までに女性取締役を据える企業等の例を挙げこの手の人材が争奪戦になっている旨が出ていた。

斯様な動きもあって起用が進んでいる女性取締役だが、現状では社内人材での登用が進まず実に9割近くが社外人材というのが現状だ。直近では先月のスズキの株主総会で決定した取締役のうち唯一の女性取締役にQちゃんの愛称で有名な元マラソン選手が決定したが彼女も社外だ。他にもこれまで当欄で取り上げてきた女優や歌手など女性役員はいずれも社外である。

本格的な内部登用が進まず手っ取り早い外部起用を進める中には形式上据えておけばよいといった向きもあるが、企業側が躍起になっているのは冒頭の通り昨年の株主総会で女性取締役不在企業の経営トップへの反対票の比率が急上昇するなど株主圧力が顕著化した一面もある。ちなみに国内投資家の場合前年比22.5%アップ、海外投資家の場合でも前年比21.7%アップとなっており、今年はこれが更に上がっている可能性もある。

上記の通り背に腹は代えられないとう側面もあろうが、曲がりなりにもある分野で脚光を浴びた著名人はそれなりのものを持っているだけにそうした人材に経営に参画してもらえる意義は十分にあろう。そういった意味で今後はお飾りでなく序列的な部分で経営の中心に彼女らが参画しているかどうかもポイントになってくるか。


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