株価も二極化?
さて今月は米ウォルマート株が上場来高値を更新してきたが、先に発表された同社の5-7期決算も既存店売上高が予想を上回り食品やヘルスケア関連など生活必需品を中心に堅調であった。そういった一方で米では節約志向が鮮明になりつつあり、不要不急の裁量消費の一部は我慢しようという二極化の動きが進んでいる模様だ。
この辺は株価にも色濃く表れており、上記のウォルマートの他にマクドナルドも先月には年初来高値を更新してきている一方で通期の予想を据え置いた高級志向のブルーミングデールズを持つ米老舗百貨店メーシーズや、米化粧品大手のエスティ・ローダーも米で高価格帯の売り上げが低迷し今月発表した2023年4-6月期の最終損益は20年4-6月期以来の赤字へ転落、株価も20年4月以来の安値を付けていた。
とはいえ富裕層に関しては株高による資産効果もあり堅調な消費が予想されるだけに振り切って高級に特化している仏エルメスや伊フェラーリ等の需要は安定的だと思うが、それ以外の層はパンデミックで急増した消費者の過剰貯蓄の取り崩しが進んでおり、加えて免除されていた学生ローン返済再開等も背景に今後の個人消費は不透明感が台頭する展開になるか。