米年末商戦2023 

米では先週のブラックフライデーを皮切りに年末商戦が本格化し、今週はサイバーマンデー、トラベルチューズデーと続いた。コロナ禍の巣ごもり需要などを背景にここ数年好調な売り上げが続いてきた年末商戦だが、全米小売業協会では今年の伸び率は前年比で3%~4%と2021年の12.7%と2022年の5.4%から減速し、パンデミック前の2010~2019年の平均である3.6%増に沿ったものになるであろうとしている。

とはいうものの今年は小売り業者が前例のない規模の値下げや宣伝活動を打ち出すなど金利上昇やインフレ等が重荷となる中で節約志向を強める消費者を取り込む動きが見られ、調査会社のアドビでは今年の年末商戦のオンライン売上高は前年比4.8%増と昨年度実績の3.5%成長から加速して2218億ドルになるとの予想を出している。

実際に先週のブラックフライデーでのネット通販の売上高はアドビの96億ドルの予想に対して98億ドルと前年比7.5%増となり、サイバーマンデーの売上高も過去最高になった模様だ。特に若年層の消費は学生ローンの返済再開が不安材料であったものの、BNPL(後払い決済)等の新たな分割払いが日常生活に溶け込んでおり先週のBNPL決済は前年比47%増とこの懸念材料を吸収する格好となっている模様だ。

というワケで全米小売業協会の減速懸念をよそに堅調な雇用市場や賃金上昇率などを背景に、今年の年末商戦で支出する一人当たりの金額の平均は567ドルと前年比13%増の見込みで過去最高の更新をするとの予測も出ている。小売り企業にとって年間売り上げの4分の1を占めるといわれるこの年末商戦、FRBが高金利を維持するなかでも米経済を支える個人消費が引き続き底堅さを維持出来るかどうかに注目が集まる。


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