クルーズ船の伸びしろ

週明けの日経紙では「幸を編む 至福の船旅」と題しこの夏に就航する郵船クルーズの「飛鳥Ⅲ」の大きな全面広告が目を惹いた。実に19年ぶりとなるこのクルーズ船、今の飛鳥Ⅱを超える総トン数となり日本最大級になるという。クルーズ船といえば昨年はOLCが上記の郵船と業務提携し3300億円規模を投資するディズニークルーズ事業に向け今年度中にも造船を開始すると報じられている。

世界のクルーズ市場の構図はコロナ禍で一時落ち込みを見せるもその後は大きく回復し23年は3170万人超とコロナ禍直前の19年を200万人ほど上回ってきている一方で、日本に限ってみればその人口は20万人足らずとコロナ禍前の6割弱の水準程度しか回復しておらず、今後の伸びしろを商機と見た各社がここに舵を切ってきた背景があるか。

上記のOLCなどディズニーというキャラを使って若年層や家族層に対してのリーチを狙っているといったところだろうが、他にも大手の商船三井クルーズも昨年末に「MITSUI OCEAN FUJI」を就航させ、テラスレストランには従来無かったようなビュッフェスタイルを導入して自由度を上げたかっこうになっている。これらを見るにこれまで市場を牽引してきた主力のシニア層以下の客層への訴求がうかがえるもので、今後順次就航予定の各社の戦略には注目しておきたい。


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