インサイダー天国?

先週末の日経紙オピニオンでは「軍事を賭ける市場の危うさ」と題し、イスラエル当局が昨年のイラン攻撃を巡り米予測市場のポリマーケットでインサイダー取引をしていた2人を起訴した旨の記事があった。ポリマーケットについては当欄でも昨年末から取り上げているが、上記のイスラエルの件の後も今年に入ってからはベネズエラ攻撃を巡っても不自然な取引が報じられていた経緯がある。

直近ではパキスタンが仲介した米とイランの停戦協議も合意に至らず物別れに終わりまた事態は混沌としてきたが、既に先月には原油の先物取引においてトランプ米大統領がSNSにイランと生産的な対話を行ったと投稿し価格が急落した際に、この投稿の15分前に取引が急増した旨も報じられている。FTではWTIと北海ブレントの先物で計6200件、約920億円相当の取引が行われた他、天然ガスや米主要株価指数先物取引でも同じタイミングで取引急増した旨を報じている。

斯様な不自然な取引が相次いで報告されていることを受けて米政府は職員に対し予測市場や先物市場などでインサイダー取引をしないように警告した旨も報じられているが、先月末には超党派の上院議員たちが連邦政府職員や議員らが公務で得た非公開情報を使って予測市場で利益を得ることを禁じる法案が提出されている。

しかしこの予測市場、二者択一に賭けるシンプルさやその対象となる予測の多彩さを見るに市場の急成長も頷けるところだ。しかしこれもスポーツ賭博の“八百長”の如く結果を左右出来るようなある程度巨大な“闇の力”を持つ向きが挙って参加してくるとなるとなんとも恐い。定量的なデータに一役買い大手取引所も予測市場に出資するまでになった一方、上記のような部分の警鐘も自ずと出てこようか。


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